第17章:愛しています、お母さん
こんなにも切羽詰まった状況の二人を見ていると、ふと考えてしまう。自分たちの暮らしすら、ろくに支えられないのに。なぜ子供を作ったんだ? その子供が、俺なわけだが。俺を授かる前の新しい両親が、子供のいる未来をどう思い描いていたのか、俺にはどうしても理解できなかった。
「んー……まま、たべ、ゆ」
俺はお粥を手に取り、温かいお粥がたっぷり入った椀を、小さな両手で彼女の方へ差し出した。
ラティーナは、物思いから不意に引き戻されたように、こちらを振り向いた。
「ど、どうしたの、アレックス?」
その女性は、驚いた様子で急いで答えた。
こんなに小さな体で話すのは、冗談じゃなく大変だ。声帯がまだ十分に発達していないんだ。
「まま、たべ、ゆ、も!」
「い、いいのよ、可愛い子。ママはもう食べたから、あなたはお腹いっぱいになるまで食べなさい、ね?」
「んー……」
俺は首を横に振った。「まま、も、たべ、ゆ」哀れっぽい表情を作りながら。
「ア、アレックス……」
彼女は右手を伸ばし、優しく俺の頭を撫でた。
はぁ……胸に、同情心がこみ上げてきた。よし、ここは素直に受け入れよう。崖っぷちのこんな状況では、一緒に食べて分け合うしかない。
俺は罪悪感を覚えながら彼女を見つめた。顔に浮かべた哀れな表情は、もう演技ではなかった。今回は、本気で彼女を気の毒に思っていた。
彼女がなおも押し切ろうとするなら、あの手を使わざるを得ない。いっそ、その方法を使った方がいいな。
俺は椀を置き、ゆっくりとお粥を食べ始めた。とても美味しくて温かく、まるで体の内側から抱きしめられているようだった。
お粥を食べながら、わざと一瞬だけ彼女の目をちらりと見た。思った通りだった。彼女は、無理に作っているような眼差しと笑顔で、ただ黙って我が子が食べる様子を見守っていた。本当に、気の毒でならなかった。
「ずずずっ……ふぅ……」
よし、これくらいでいいだろう。俺くらいの赤ん坊は、確かにたくさんの栄養が必要なんだろうがな。まあ、それとは別に……今夜、みんなが寝静まったら、試したいことがあるんだ。
「まま、おなか、いっぱい」
「え、ええ? 少ししか食べてないじゃない、アレックス。ちゃんと残さず食べなさい!」
俺は彼女の言葉をわざと無視し、そのまま横になって目を閉じ、もう眠ってしまったふりをした。そうすれば、彼女は残りを食べるしかなくなる。
こうするのが、崖っぷちの状況で分け合うための、一番効果的な方法だ。
「もう、私のアレックスったら……」
彼女は、床に横たわる俺の頭をまた優しく撫でると、やがて立ち上がり、椀を手に台所へと去っていった。
彼女の足音が遠ざかった後、俺は再び起き上がり、彼女が俺の残した食事をちゃんと食べるかどうか確かめるために、後を追った。だが……なぜか、彼女は台所でしばらく立ち尽くしていた。
彼女は物思いに沈んだまま、我が子が残した食べかけのお粥がまだ入っている椀を、希望に満ちた眼差しでじっと見つめていた。
彼女が立つ場所には、屋根の穴から差し込んだ朝の光の筋が居間の床を打ち、さらに台所の屋根からもう一筋の光が、ほつれた髪に縁取られた彼女の横顔を照らしていた。その光が、かまどと薪と、いくつかの簡素な調理器具しかない台所の壁に、一人の素晴らしい女性のシルエットを映し出していた。
彼女の体は、抑えきれないほど震えているようだった。手にしたお粥の椀を、長く、名残惜しそうな時間をかけて見つめながら。
グゥゥ……。
左手で、お腹を押さえていた。
「う……ぁ……」
「…………」
「わ、私……もう二日も食べてないのよ……この子の残り物を、た、食べても……いいかしら?」
彼女はしばらく考え込んだ。
「でも、この子もお腹いっぱいだって言ってたし……」
彼女は天井を見上げた。
「アレックス……あなた、ママが最近何も食べてないこと、気づいてるの……?」
涙が、彼女の顔を伝い始めた。それを見ていると、俺の胸もまた、彼女を案じて締め付けられた。
「……ああ、アレックス、こんなことしなくていいのよ、あなた……ごめんね、ママ、あなたにひどいことを言っちゃったわ……それに……それに、私たちがどんな状況にあるか、あなたはきっとちゃんと分かってるのよね? ごめんなさい、アレックス……悪いママを許して……」
その女性は、虚ろな目で椀を見つめ、すすり泣きを止められずにいた。スプーンを手に取り、冷めた残りのお粥をすくおうとして、その手は激しく震えていた。
泣き声は、アレックスを起こさないよう必死に押し殺されていた。
彼女は、残されたお粥を、少しずつ食べ始めた。
「ア……レッ……クス……あ、ありが……とう……ほ、本当に……ありがとう……」
その声は、ひどく震えていた。
正直に言えば、俺もこの光景を見ていられなかった。だが……俺の計画通りなら、少なくとも彼女が食べ物を必要とするまでの時間を、父さんが帰ってくるまで引き延ばせる。そして、父さんも食べ物を持ち帰ってくれることを願うばかりだ。
俺は自分の寝床へ戻り、彼女に対して眠っているふりを続けた。
これでいい。俺たちのどちらか一人が何も食べられないよりはずっとマシだ。「ふわぁぁ……」
はぁ……本当に、この体は弱っちいな。
俺は、さっき彼女に見られた時に眠っているふりをしていた場所へと、歩いて戻った。
少しの間、まずは眠ってみようと思う。大丈夫だ……それに、もしかしたら……俺は……まだ、本人の前で心から「ママ」と呼ぶのは、少し恥ずかしいけど……。
許すよ、ママ。
いずれにせよ、あなたは信じられないほど強い親だと思ってる。今まで出会った中で、最高の親の一人だ。




