第15章:初めての襲撃、そして一撃崩壊 (その3)
俺は再び意識を集中させ、この空っぽの空間に来る前にいた出発地点を目標にして、さっき飛ぼうとした時と同じように目を閉じてそこへ戻ろうとした。こういうのは、どうやらそれなりに時間がかかるらしい。理由は分からない。まだ赤ん坊だからなのか、それともこれが単にあの女神が決めたルールなのか。そのせいで、俺は自分の……力を、集中させるためにもっと強く意識を研ぎ澄ます必要があった。多分、そういうことなんだろう。それを考えると、なんだかバカバカしいことに少し感動すら覚えた。だが、これを「力」と呼んでいいのかすら、俺にはよく分からなかった。強いという感覚はない。だがそれができてしまう。妙な話だ。
まだ目を閉じたまま両腕を伸ばし、より深い集中を探ろうとした。そして―
チュンッ……
カアッ……カアッ……。
聞き覚えのある鳥の鳴き声が近くで聞こえ、その温もりが俺の心を落ち着かせ、安心させてくれた。目を開けると、屋根の穴から吹き込む風が髪を揺らした。そして、周囲の雰囲気は元に戻り、俺はまたこの家の中に戻ってきていた。だが、その場は木くずが散乱し、埃が辺り一面に漂っていた。日差しが壊れた屋根の隙間から真っ直ぐに差し込み、俺がたった今瞬間移動してきたその場所を照らしていた。
はぁ……助かった。まさか、考えるだけで思い通りのことが何でもできるなんて、思ってもみなかった。俺は今、少し傷ついて汚れた自分の小さな両手を見つめた。目には、強い好奇心の輝きが宿っていた。もしかして、この力は考えるだけで何でも実現できるんじゃないか? ハハ、まるでチートみたいだな。俺は独り言をつぶやいた。ふむ、じゃあ試しに―
タッタッタッタッタ。
突然、玄関先に足音が近づいてきた。ま……待て、誰か来たのか?! それを聞いた瞬間、俺はパニックになり、本能がすぐさま働いた。小さな体が動く限りの速さで這い進み、間一髪で台所へと滑り込んで身を隠した。
ドガアアン。
「私のかわいいアレックス……どこにいるの、あなた?!」
突然、女性が勢いよく玄関の扉を突き破るように入ってきて、俺は驚いて飛び上がりそうになった。
「なんてこと……この家、どうしちゃったの……なんでこんなに散らかって、まさかアレックスが?! アレックス、どこにいるの?! アレックスぅ、あなた! アレックス!!」
台所の床から、彼女の慌てた足音が壊れた玄関を通り過ぎ、まっすぐ台所へと向かってくるのが聞こえた。
まずい……まずい……ママが帰ってきた。寝たふりしとくしかない。俺は、動物の皮が敷かれた台所の床で眠っているように見える体勢を見つけた。
足音がどんどん近づいてくる中、俺は寝たふりを続けた。
「アレックス! アレックス!! ああアレックス……ここにいたのね、あなた……ママ、すごく心配したのよ、可愛い子……」
彼女は息を切らしながら、慌てた声でそう言った。
俺はゆっくりと目を開けた。まるでたった今眠りから覚めたかのように。
「はぁぁ……ま、ま……」
「そうよアレックス、ママはここにいるわ。無事で本当に良かった……」
彼女は俺をきつく抱きしめた。
抱擁……彼女は俺を抱きしめていた。こんなに温かい抱擁。こんな抱きしめられ方……胸が痛くなった。俺は……こんな抱擁を、前に感じたことがあっただろうか? なぜか、生々しい感情の波が俺を完全に呑み込んだ。涙が目にどっと溜まり、視界がにじんで水浸しの染みのようになり、今にも溢れ出しそうだった。
前世では、誰も俺をこんなにきつく抱きしめてくれたことはなかった。誰も俺のために泣いたり、俺を失う恐怖に純粋に震えたりしたことはなかった。彼女の服に染み付いたラベンダーと家の匂いが俺を包み込み、さっきまでいたあの空虚な虚空の冷たさの残滓を、瞬時に洗い流していった。耳元で彼女の心臓が、必死で切迫したリズムで高鳴っているのが聞こえた。それは、俺を抱きしめる腕の中で、少しずつ落ち着いていった。
ああ……これが、母親の愛というものか。心配をかけてしまった罪悪感が胸を刺したが、この圧倒的な温もりはあまりにも心地よくて、抗いようがなかった。まだ準備の整っていない力を使って疲れ果てた小さな体は、ついに限界を迎えた。瞼が重くなっていくのを感じながら、俺は小さくため息をつき、彼女の肩に顔を埋めた。
チートじみたこの力の謎は、今はひとまず置いておこう。今、この温かい抱擁の中で、俺は安全だった。
「もう大丈夫よ、私のかわいい子。ママがここにいるから、もう怖がらなくていいのよ」
彼女はそう言って俺を抱き上げ、腕の中でしっかりと抱きながら、部屋の隅々まで見えるようにしてくれた。
だが、待て……なんだ、あれは?! んん?! まさか……あれって……マンモス?! いや、それともガナパティか?!!?




