第14章:新たな命の産声(その2)
扉を開けたその瞬間、俺を抱いていた女性と俺の視線が、戸口に立つその人物へと引き寄せられた。
「誰―」
男が言葉を言い終える前に、目の前の相手がすぐさま遮った。
「おお、やっぱり家にいたか、ジョージ」
「レオ! 何しに来たんだレオ?」
彼は木製のドアの取っ手を握ったまま、まだ家を完全に出るのをためらいながら、驚いた様子で答えた。
「ああ、なんでもない、村長からの伝言をいくつか伝えたくてな」
そう言いながら、彼はポケットからチラシを取り出し、俺の父に見せた。
「明日の朝、狩人たちが早めに集合する。全員来るようにと言ってる」
「ああなるほど、それでいきなりの話だったのか。数日後の予定になると思ってたんだが」
「まあ、そういうことなんだ。この急な変更には、俺も驚いたよ」
「ふむ、分かった、行くよ。教えてくれてありがとうな、レオ」
「なんでもないさ。それに、俺も森に行きたかったしな。ああそういえば、ラティーナと子供の調子はどうだ、ジョージ?」
そう言いながら、彼はさっき見せていたチラシをしまい直した。
「おかげさまで、あいつも子供も元気にしてるよ」
俺は首をさらに傾げ、二人が何の話をしているのか気になった。
「危ないわよアレックス、落ちちゃうわよ」
俺を抱いている女性がそう言った。
「そうか、なら良かった、じゃあ俺はもう行くよ。二人ともいつも健康でいられるように願ってる。またな、ジョージ」
「ああ! ありがとうな」
その男が家を出ていく間、俺の視線は扉を閉める大柄な男に向いたままだったが、やがて上にいる女性の顔へと移っていった。
「はぁ……予定を思ったより早めてきたか。一体何が起きてるんだ? 村が何かに襲われそうだとか?」
彼は扉を閉めながら振り返り、ぼやいた。
「大丈夫よあなた。村長さんはきっと色々考えた上で、私たちより物事をよく分かってるはずでしょ?」
俺を抱きながら、彼女の優しく落ち着いた声が、ジョージの気持ちを鎮めているようだった。
「まあ、そうだといいがな」
彼はそう言うと、そのまま台所へと戻っていった。
そして一瞬、俺は彼女の顔をじっと見つめ、考え込んだ。そして……ふと一つのことに気づいた。今の母さんはしばらくじっと見つめていると、本当に綺麗なんだと。
「ん? ふふ……どうしたの、アレックス?」
俺が顔をじっと見つめているのに気づき、彼女もこちらの目を覗き込んできた。互いの視線が、ずいぶん長く絡み合った。
不思議だな。普通、赤ん坊って何も感じないはずだろう? だが、なんだか落ち着かない、まるで何かがおかし―
「こちょこちょこちょ、こちょこちょ」
彼女の指が、俺のお腹を素早くくすぐった。
「あぶあぶあ、あーはっはっはっは」やめてくれ、くすぐったい。
「ハハハ……こちょこちょこちょこちょ……」
「あぶあぶあ、てへ」や……やめろ! おい女ぁ! しまった、出そうだ。
彼女の手がお腹の上で素早く踊るように動くたび、俺は妙な感覚温かく、腹の奥で何かが絡まるような感覚を覚えた。
ブブーッ……。
俺から漏れたガスの音が、その場を一瞬にして静まり返らせ、彼女を言葉に詰まらせた。
「ア……アレックス……」
それで彼女は、しばし言葉を失った。
「おならしたくなったら、ママに言ってね」
なぜかは分からないが、俺の顔はだんだん熱くなり、恥ずかしさで赤くなっていくようだった。
「ふふ……ハハハ……ハハハハ、これでもくらえー」
彼女の指が、再び素早く俺の小さなお腹をくすぐり始めた。どうやら、これはしばらく続きそうだった。
「あぶあぶあ、あーはっはっはっは」
これはしばらく続きそうだった。そして、七ヶ月が経った。




