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ポーション作りの錬金薬師  作者: レモンティー


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第五十話 魔力がなくても作れるポーション

薬師組合に一人の少年が現れた。

「僕も薬師になりたいです」

測定器の針は動かなかった。

魔力をほとんど持っていない。

「無理だと言われました」

少年は俯いた。

リオンは調合台へ案内した。

「魔力を使わない工程なら、できるよ」

「そんなのあるんですか?」

「材料の選別、温度管理、濾過、記録。大事な仕事はたくさんある」

ルーシェは少年に器具の使い方を教えた。

最初は失敗続きだったが、少年は驚くほど丁寧に温度を測った。

「師匠、この子、私より記録が細かいです!」

「いいことだね」

リオンは魔力を蓄えた小さな触媒板を取り出した。

必要な魔力だけを一定量放出する道具だ。

少年が材料を混ぜ、板を使って反応を起こす。

透明な薬液が淡い緑に変わった。

「できた……!」

少年の目に涙が浮かんだ。

リオンは完成品を検査した。

「合格。最初の一瓶だ」

翌日、薬師組合に新しい講習会の案内が貼られた。

『魔力の有無を問わない、基礎調合講座』


少年は何度試しても、魔力測定器を動かせなかった。

周囲の薬師たちが小声で話す。

「魔力がないなら、材料運びでもしたらどうだ」

少年は唇を噛んだ。「僕は、人を治す薬を作りたいんです」

リオンは古い調合器具を持ってきた。

「魔力を使う工程と、温度や時間で代わりにできる工程を分けよう」

薬草の乾燥、成分の抽出、ろ過、瓶の洗浄。少年は手順を一つずつ覚えた。

だが最初の試作品は濁った。

「やっぱり僕には無理です」

「俺にも同じ条件で作らせろ」

リオンが作った薬も濁った。器具の温度計が狂っていたのだ。

ルーシェは笑った。「師匠まで失敗しましたね」

「いい実験だ。魔力があれば失敗しない、ってわけでもない」

器具を調整し直すと、少年の薬液は澄んだ色になった。検査では安全性の基準を満たしたが、効き目はまだ弱い。

「完成じゃないんですね」

「もちろん。ここから何度も試す」

少年は顔を上げた。「それでも、続けていいですか」

「続けるために、今日はここに来たんだろ」

講習会には、魔力が少ない人々が集まるようになった。ルーシェは工程表の一番上に大きく書いた。

『魔力の量ではなく、完成品の安全性で判断する』

少年は初めて、自分の名前を調合記録の作成者欄に書いた。

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