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ポーション作りの錬金薬師  作者: レモンティー


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第二十九話:工房と弟子

・工房

王都から戻った翌日。

工房の扉が開く。

木の軋む音。

いつも通りの静けさ。

だが――中身は違っていた。

机の上には、新しい設備が並ぶ。

王都からの褒美。

錬金炉。

分析器具。

環境測定装置。

ルーシェはそれを見て呟く。

「……これ、全部本当に使うんですか?」

リオン

「使う」

即答。

ルーシェ

「こんなの、研究所レベルじゃないですか……」

リオンは机に手を置く。

「まだ“安定再現”ができてないから全部使っていくよ」


・弟子発言

リオンはルーシェを見る。

一拍。

「ルーシェを助手兼弟子として育てていく」

ルーシェ

「はい。」

一瞬の間。

ルーシェ

「……はい?」

リオン

「今、了承したよね」

ルーシェ

「してないです!!流されただけです!!」

リオン

「大丈夫、ちゃんと育てる」

ルーシェ

「不安しかない“ちゃんと”なんですけど!?」


・育成開始

リオンは淡々と薬材を並べる。

「今日は基礎」

ルーシェ

「基礎なら安心ですね」

リオン

「環境制御の基礎」

ルーシェ

「急に専門用語きましたね!?」

リオン

「全部基礎だよ」

ルーシェ

「基礎の範囲広すぎません!?」


・リオン

「まず、“空気を読む”」

ルーシェ

「それ比喩ですよね?」

リオン

「物理的に」

ルーシェ

「会話の空気すら読めてない人が何言ってるんですか!!」


・実験①

リオンは小瓶を置く。

霧が広がる。

「この部屋の湿度を固定する」

ルーシェ

「普通の調整ですよね?」

次の瞬間。

机の上の水滴が“動かない”。

空気の流れが消える。

ピクリとも動かない。

ルーシェ

「止まってるんですけど!!」

リオン

「止めてない、固定」

ルーシェ

「言い換えてるだけです!!」


・実験②

リオン

「次は温度」

ルーシェ

「嫌な予感しかしないです」

瓶を開ける。

一瞬で空気が変わる。

暑くも寒くもない。

完璧すぎる中間。

違和感しかない快適さ。

ルーシェ

「逆に気持ち悪いんですけど!?」

リオン

「理想状態」

ルーシェ

「人間はそんな理想求めてません!!」

リオン

「体温も安定させる?」

ルーシェ

「やめてください人体実験!!」


・育成方針

リオンは静かに言う。

「錬金薬は作ることじゃない」

「環境を理解することだ」

ルーシェ

「急に師匠っぽいまともなこと言いましたね」

リオン

「だからルーシェは観察から」

ルーシェ

「それっぽい……!」

リオン

「失敗すると爆発する」

ルーシェ

「やっぱりそれっぽくない!!」

リオン

「次は記録」

ルーシェ

「え、普通だ……」

リオン

「空気の変化を全部書く」

ルーシェ

「普通のハードル高すぎません!?」


・夜

工房。

静寂。

ルーシェは机に向かい、必死に記録を書く。。

「湿度変化なし」

「温度一定」

「空気流動停止」

背後から声。

リオン

「そこは違う」

ルーシェ

「今の見ただけで分かるんですか!?」

リオン

「理解しているだけ」

ルーシェ

「さすがです!!」


リオン

「ルーシェといると、退屈しないよ」

ルーシェは少し考えて、

苦笑する。

ルーシェ

「……まあ」

「師匠といると、退屈しませんね」

リオン

「それは良かった」

ルーシェ

「良くはないです」

リオン

「?」

ルーシェ

「心臓に悪いです」

リオン

「慣れるよ」

ルーシェ

「慣れたくないです!!」

二人の声が、静かな工房に溶ける


・夜の工房

二人。

同じ空間。

同じ目的。

だが温度は違う。

リオンは設備で錬金薬を生成する

ルーシェは学び記録を続ける。

楽しそうに。


静かな工房。

だがその中で、

ルーシェの知識は確実にそして楽しそうに育っていく。

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