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朱鷺海 恋慈の異世界⇔現代、拳で語れ!  作者: 筆々
3章 獣は幸運を憂い凛と鳴る

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共闘! 魔法使いと

「しかしあいつらが何をしようとしているのかまったくわからなかったな」



「レンジ君とコウ君が騒いでおったからじゃろうに」



「あれはリンちゃんが悪いんだよ」



「何度でもこすってくよ☆」



「止めなさいね」



 食事を中断して、最初にレンジたちが降り立った屋敷へと脚を進めている一行なのだが、レンジは頻りに鼻をすんすんと鳴らしていた。



「とっきーわかる?」



「途切れ途切れだが、あの男の匂いがあちこちからするな」



「……コウ君や、レンジ君はもしかして化け物ではないのかえ?」



「人外であることは間違いないかなぁ」



 明らかに空間転移している者を匂いで探し出す男、朱鷺海 レンジである。

 そんなレンジがウィスパーに声をかける。



「じいさん、あいつらはこっちには向かっていないぞ」



「わしの準備と、レンジ君とリンちゃんくんはともかく、コウ君に備えは必要じゃろうが」



「なるほど」



「え~じいちゃん、俺もか弱いよっ☆」




「はっはっはっは」



「まあ、それなら急ぐということだな。じいさん、少し速度を上げるぞ。ついて来られないなら担ぐが?」



「無用じゃよ」



「そうか――」



「ひゃっ、いきなり持ち上げんな!」



 レンジがコウを肩に担ぐ――所謂ファイヤーマンズキャリーと呼ばれる運び方だが、コウはされるがままにレンジに抱えられた。

 そしてそのレンジがリンと顔を見合わすと、2人揃って脚を思い切り踏み抜き、道を砕いたと同時に飛び出した。



「まったく、せっかちな若者じゃわい――『空間解放術式(グリッドロアー)』」



 ウィスパーが空間を操る術式を足元に生成し、その術式に足を踏み入れた。彼はそのまま空間に飲み込まれたのかと思うと、先を走っているレンジたちの傍に降ってきた(・・・・・)



「うおっ」



「わっ、おじいちゃんすご。それってさっきミリカって人がやってたやつ?」



「いんにゃ、ちとこの街のあちこちにわしの術式を張っただけじゃよ。さっき見せた物を入れる魔法と原理は一緒で、術式のある場所に()()()()()()()()()()()()だけじゃよ」




「……やはり強いなジジイ、やっぱり俺と一戦やるか?」



「遠慮しておくわい。はしゃぎまわるほど若くもない」



 ウィスパーの熟練の圧に感化されるようにレンジも自身の圧を高めていく。

 そうして最終決戦へと向かう面々に、街の空気が徐々に変わっていくのだった。

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