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人間体験  作者: hi07


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94/126

第93話 case 4-銀色シャーペン

“肩ぶつけ合いモールス信号”

さっき、コンビニで2人が発明した無言でのコミュニケーション方法である。


ゆっくり歩きながら、既に数分間続けている。


「「誕生日って」」


声が揃った。


「「ハハハハハ、ハッハッハッ、ハハハハハ」」


「昼休みと同じだ〜」

「だねぇ、またリンクしたねぇ」

「あぁ〜、面白ぉ」


「央吾君の誕生日は?」

「7月16日、佐々木さんは?」

「10月3日、央吾君来月なんだね」

「うん。佐々木さんの誕生日は10月3日、ちゃんと覚えましたぁ」

「アハハ、覚えててねぇ。私も7月16日覚えましたぁ」


手をしっかり繋いだまま、チラッチラッと目を合わせ笑い合う。


「そうそう、これ使って」


央吾は銀色のシャーペンを佐々木に手渡した。


「やったぁ、ありがとうっ。って重」

「重いでしょ?設計士用のシャーペン。慣れるとめっちゃ書きやすいんだけど…使い難いかな?」

「ううん、私も慣れるまで使ってみるね」

「俺もスヌーピーのシャーペン大事に使うから」

「ちょっと汚れちゃってるけどね」

「そんな事ないよ。大事に使ってた証拠だよ。それに付き合い出した記念が、レモンののど飴じゃあ格好悪いからね」

「アハハ、美味しかったけどね」


2人はこの時間を楽しみたいあまりに、歩くスピードはどんどん遅くなり、ほぼ止まっている。


「央吾君、設計士になりたいの?」

「うーん、まだはっきりとは言い切れないかな…興味はあるけどね」

「そっかそっか、じゃあ理系だね、特に数学頑張んなきゃね」

「そうなんだけどねぇ…数学がねぇ…」

「?苦手なの?」

「はい…苦手ですハハ」

「こないだの中間テストどうだったの?」

「…、…、…、35点です…、…」

「っさ…、…、…」


佐々木は驚きのあまり目を見開き、固まった。


「佐々木さんは、どうなの?」

「私は全教科80点以上ですっ」


腰に手を当て誇らしげに言った。


「80以上っ!?凄っ!!俺、一番良かったのでも70点ぐらいだったわぁ」

「よしよし、これは土日の部活が無い時は図書館で勉強ですな」


笑顔だが口は真一文字の佐々木に対し、挙手をした央吾は、


「部活が無い時は時々デートもしたいです…」

「ハハハハハ、それは私もです」


佐々木も挙手して顔をほころばせた。



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