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人間体験  作者: hi07


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92/127

第91話 case 4-烏龍茶

コンビニを出て左にあるベンチに2人は座り、買い食いを開始した。

昼休みに縮めた距離をそのまま、央吾の右肩と佐々木の左肩はゼロ距離である。


「からあげクン、いる?」

「いる〜、実は初めから狙ってましたぁ」

「ハハハハ、では特別に3個あげましょう」

「やったぁ、では私のシュークリームも半分あげましょう」

「ヨシッ、デザート確保」


央吾はおにぎりとからあげクンを口いっぱいに頬張った。

リスの様にモグモグしていると、スッと右側から差し出された烏龍茶。


「喉、詰めるよ」


キャップは既に開いている。


「むぇ?みーん?」(え?いーの?)

「ハハハハ何言ってるか分かんないよ」


央吾は差し出されたままの烏龍茶を受け取ると、グビッグビッと飲み、一気に流し込んだ。


「烏龍茶うまっ、ってかよかったの?」

「何がぁ?」


可愛らしさ満点のいたずら顔で佐々木が聞いてくる。


「だって、佐々木さんも飲むでしょ?」

「いいよ、だって彼氏だもん」


(ヤバッ!可愛い過ぎっ!)


「央吾君は気にする?」

「いっ、いやいや全然。もう一口頂きまぁす」

「烏龍茶おいしいよね、私はいつも烏龍茶なんだぁ」


佐々木は央吾から烏龍茶を受け取ると、一口グビッと飲んだ。


コンコン、コンコン


2人の後方から分厚いガラスをノックする音…


(しっ、しまったぁ〜)


央吾はいつもの癖で何も考えずベンチに座ったが、そのベンチの後方は雑誌コーナーであった…


振り向くとそこには、冷やかし野球部軍団が…、何やら身振り手振りをし、何かを伝えようとしている様だ。ジェスチャーゲームだ。

央吾と佐々木は解読しようとじっと見つめた。


「ん?…、…ペットボトル?…、…、開けた?」

「隣に渡して…飲んだ?…、…戻して…飲んだ」


完全に茶化している。


「全部見てたなっ!」


央吾の怒った表情を見て、ガラスの向こうでは大爆笑が巻き起こっている。

佐々木は笑いながらも顔が真っ赤だ。


「佐々木さん、ごめんね。あいつらバカだろっ」

「ハハ全然いいよ」

「そう?佐々木さんがいいならいいんだけど…」


野球部軍団が2人を茶化すようにゾロゾロとコンビニから出て来た。


「お前らさぁ、俺はいいけど、佐々木さんにはやめろよなっ」


「いやいや、目の前だったからさぁ」

「わりぃ、わりぃ、佐々木さんごめんね」


「全然大丈夫。ジェスチャーゲーム面白かったよ」


佐々木の顔はまだほんのり赤くなっている。


その後、2人はシュークリームを分け合い食べ終えると、佐々木を家まで送るため、野球部軍団とは別れた。



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