表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間体験  作者: hi07


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
82/126

第81話 case 4-告白②

(今から告白?)

ユージローの言葉に皆、動きが止まり凍りついた…


「マジッ!?やっぱ今から告るの!?」


ナオトはやっぱりバカでデリカシーがない。

しかし、そんなバカなナオトが居るから、皆冷静さを保てていた。

逆にこの場にナオトが居なければ、どんな空気になっていたであろうか…。

この重々しい空気…。重力が2倍…、いや3倍には感じていたであろう。


手を握られたままの央吾は当然だが、それ以上に戸惑い混乱していたのは、ユージロー目当てで集まっていた女子たちである。

まだ頭の中の整理が追いつかないのか、瞬きすらしていない。

それどころか、何処かに意識が飛んでしまったかの様に、唇に力は感じられず小指が入る程度の空洞が出来ていた。

多分、呼吸もしていない。


ユージローファン以外は口を真一文字に閉じ、固唾を呑み見守っていたが、ナオトは例外である。


ナオトは面白い物でも見る様に、ユージローと央吾の顔を交互に見ながら楽しそうにニヤけていた。

ユージローから発せられる言葉を今か今かと待っている。

小さな子供がサンタさんからのプレゼントを開けている時の様に目がキラキラしていた。

これは恐らくナオト自身も無意識であるが、膝はどんどん曲がり中腰になり、ユージローの顔を覗き込んでいる。

両手を前に出しては引く、前に出しては引くを繰り返しているそのさまは「来いっ、来いっ、早く言えっ」と言っている様だ。

ナオトの口元を見ると、音こそ出ていないが忙しなく動いている。


しかし、ナオトの事など視界に入っていないユージロー。その顔にだんだん力が入ってきた。

口を閉じたまま歯を食いしばっているのが手に取るように分かる。



スーーーーーーーッ



ッハーーーーーーー


鼻から大きく息を吸い、一気に放出した。


「俺は、今から、告白する。お前はどうする?」


「い、いや…どうするって?ちょっと意味分かんねぇけど、無理だろ、普通に考えて」


「そうか」


ユージローは央吾の手をスッと離すと、右斜め前へ3歩進んだ。


「…、…、…すっ!…すっ!好きですっ!ミオさんっ!お、俺と付き合って下さい!!」




(((そっちかぁーーーーいっ!!)))

「そっちかぁいっ!!」


ナオトだけが声に出していた。

ただこの時だけは、全員の気持ちを代弁していたため、皆感謝していた。

ユージローは央吾に告白するのだと…

ユージローはゲイだったのだと…

誰もが勘違いしていた。


ユージローファンはホッとしたのも束の間、またもや戸惑い焦っていた。

憧れのアイドルに彼女が出来てしまうかもしれない瞬間であるからだ。

ゲイ?と勘違いしていたさっきまでとは違い、かなり現実味のある状況に嫉妬し妬み悔しがっていた。

さっきまで幽体離脱でもしたかの様に、意識さえはっきりしていなかったが、しっかりと現実に戻されたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ