第80話 case 4-告白
野球部軍団vsバスケ部軍団のバスケット勝負は、央吾がフリースローを決めた事により、野球部の勝利に終わった。
「やったなぁ、オーゴ」
「俺は、入ると信じてたけどな」
「ウソつけ、このヤロー」
「シュートの時に言ってた“静かにしろい”ってあれ、三井だろ?」
「そうそう、山王戦のな」
「今日の三井は俺だろ?」
「キャラ設定はしたけど、別に物真似はして良いだろ」
「それはそうと、最後絶対ヨータにパスだと思ったわ」
「俺も俺も」
「俺もヨータにパスしようと思ってたんだけど、ユージローのディフェンス見てたらトラップの気がしてきて…」
「気付いていたのか?」
振り向くとそこにはユージローがいた。
慣れない裸足に加え、負けられないという何よりも大きなプレッシャーは疲労を増幅させていた様だ。肩で息をしている。
「あぁ、何となくな。俺のドリブルに警戒し過ぎだろって思って…そしたら、何かあんじゃねぇかって…」
「そうだったのか…ヨータの位置を確認したから、最後はヨータだと…スリーポイントだと思い込んでしまっていた…」
「えっ!?バレてた?ヨータ見たのって1回だけど、それを見てたの?」
「あぁ、もちろんだ。ボールを持った瞬間だろ?」
「ヤバッ!あんな一瞬すら見逃してねぇのかよ」
「それにしても、本当に上手かった。まさか負けるとは…ナイスゲームだ」
そう言うとユージローは手を差し出し、央吾に握手を求めて来た。
「こちらこそ、めちゃくちゃ楽しかったよ」
握手を交わす2人…
…
…
…
「いや、長ぇよ!」
思わず央吾が突っ込んだ。
すると、ユージローは手を握ったまま、真っ直ぐ央吾の目を見てゆっくりと喋り出した。
「本当は…、…、…本当は勝ってから言うつもりだったんだが…、…、…」
「な、何だよっ?ってか、手離せよ」
央吾は手を離そうとするが、ユージローはそれを許さない。
「っんだよ、痛ぇよ!握力強過ぎだろ!」
「72だ」
「は?」
「バスケは手首でシュートを打つ。だから特に鍛えているんだ」
「分かったよ、分かったから手離せって」
ユージローは更に手を強く握って来た。
「本当は…、勝ちたかった。勝ってからが良かったんだが…、…、…」
「だから何をだよっ!?いい加減手離せって!」
「俺は…、…、お…、…、俺は…、…、…、」
「???…、ん…?、…、…え?、…は?」
ユージローは央吾の手を強く握り締めながら、
真面目な顔で央吾を見つめていた。
(こっ、これってもしかして???)
周囲にいた野球部・バスケ部軍団はもちろん、ギャラリーまでもその真っ直ぐな眼差しに今から発生する出来事を想像した。
「おいっ、こいつもしかして告るんじゃね」
空気を全く読めないナオトの発言に皆、驚きを隠せない。全員がナオトを睨みつける。
(こいつ、本当のバカだっ)
「あぁ、俺は…、…、…」
…
…
「おいっ、何だよっ、その間…」
央吾は完全にビビっていた…
「俺は今から告白しようと思う」




