第77話 case 4-真っ直ぐな賞賛
ユージローの超真面目な提案により、バスケ部軍団も全員バッシュを脱ぐこととなった。
「これでフェアだな」
ユージローは満足げな様子だ。
「バスケ対決の時点でフェアじゃねぇけどな」
「確かにハハハハ」
「身長も全然違うしな」
「体格はしょうがねぇよ」
「でも、バッシュ脱いだらだいぶイメージ変わるな」
野球部軍団からすれば、バスケ部とバスケット対決の時点でハンデの上に今まで裸足でやっていたのである。
無知ゆえに裸足がハンデとは思っていなかった様だ。
ただ、バッシュの靴底数cmとは言え、今までよりもバスケ部軍団が随分と小さく感じた。
急に自分たちの身長が伸びた様な感覚があった。
「これ、いけんじゃねぇ?」
「あぁ、そうだな」
勝てる気さえして来た。
裸足vs裸足のバスケ対決が始まった。
直ぐにバスケ部軍団は違和感を覚える事となる。
バッシュの靴底の高さが感覚を狂わせていく。
たかが数cm、されど数cm。
小学生の頃から慣れ親しんだバッシュの感覚は当然拭い切る事は出来ず。体に覚えさせた距離感は修正を許さない。
シュート全てが短く、リング手前に弾かれる。
わずか数cmがここまで影響するはずがないと、自分に言い聞かせれば言い聞かせる程、これまでの勘に頼れば頼る程、そのズレは大きくなっていった。
一方、野球部軍団はと言うといつも通り。
バスケ部軍団のシュートが決まらない中、野球部軍団のシュートはいつになく決まり、残り時間半分を過ぎた辺りで同点に追い付いた。
いや、ヨータのスリーポイントが決まり逆転に成功した。
「ヨータ!ナイッシュー!」
「やるじゃん!ヨータ」
「3分の1だけどな」
「ようやく入ったな」
「素直に褒めろよっ!」
野球部側ギャラリーは一気に盛り上がった。
対して、バスケ部軍団は負ける訳にはいかない。
野球部軍団のディフェンス力の低さを見極め、余裕のパス回しを止め、ドリブルで切り込む事でジャンプシュートから成功率の高いレイアップシュートに切り替えて来た。
そこからは熱く激しい攻防戦が繰り広げられる。
野球部軍団は思いのほか善戦した。
フェイクにかかっても次のプレイに間に合う俊敏さ、ドリブルで抜かれても直ぐに追い付く走力。そして、身長差を感じさせない跳躍力。
「お前らぁ〜!身体能力高過ぎだろっ!!」
ユージローは野球部軍団を真っ直ぐに賞賛した。
「ハハハハハ、何だあいつ」
「試合中に敵に向かって言う事かよ、ギャハハ」
「俺たち、うめぇだろっ!?ハハハハハ」
「ヨシッ!絶対勝つぞっ」
「またスリーポイント決めてやるよっ」
ユージローのその混じりっけのない言葉は、更に野球部軍団の勢いを加速させた。
試合は最終局面へ




