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人間体験  作者: hi07


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第54話 case 4-祖父のお尻

時々夜中に目が覚める事がある。

ゴンギョウのせいで朝が早い央吾には滅多にない事だ。

時間は分からない。3時ぐらいか?何となく。

寝ぼけたままで天井を見上げていた。

天井にはイチローのポスターが貼ってある。


「かっけぇなぁ〜」


ついつい言葉が漏れる。

今年のオープン戦で初めて生で見たイチロー。

あの独特の構え…ポスターは父に頼み込み買ってもらった。

ライトスタンドから試合の内容はそっちのけで、イチローばかりを見ていた。

テレビで見るイチローとは全く印象が違った。

めちゃくちゃでけぇ〜。ちょっと怖そぉ〜。

声めちゃ出してる。

走るの速っ!肩強っ!グローブかっけぇ〜

プロ野球を初観戦した日は興奮と感動の連続だ。

いつもテレビで見ている選手がそこにいる。

ただそれ以上に央吾の胸が高鳴ったのは木製バットで硬式球を打つ音だった。

これまで金属バットしか使った事がない央吾にとっては新鮮そのもので、本当の野球の音だと感じた。


夜中に目覚めて眠たいはずなのに、瞬きすら忘れてしまうほど見惚れていた。


トントントン…


誰かが階段を降りる音…

じいちゃんトイレかな?

央吾はまた祖父が深夜徘徊しないか気になった。

まあ玄関の扉が開く音がしてからで間に合うか、そう思い聞き耳を立てていた。


「わぁー!!ここじゃないっ!!」


父の声。

央吾もすぐに階段を駆け降りた。


「臭っ!」


そこには黒電話の前でズボンを下ろし、祖父がウンコをしていた。


「マジ!?ここで!?」


鼻をつまみながら央吾は近付いた。


「じいちゃんをトイレまで連れて行ってくれ」


「え?あ、うん」


「じいちゃん、こっちこっち」


父がウンコの処理をしている間にトイレに連れて行き、央吾が祖父のお尻を拭いた。

何でこんなに臭いんだ…吐きそうな程臭い…


「央君、トイレか?」


「俺じゃないよ…」


祖父は央吾が小便したさに、急にトイレに入って来たのだと思っている様だ。


その後2階まで連れて行き何とか寝かせると、央吾も1階に降りる事なく布団に入った。


こんなに騒がしくしているにも関わらず、母は一度も部屋から出て来なかった。


「ピッコロ大魔王め…」


イライラしていると全く眠れない…


「央吾起きなさいっ、ゴンギョウの時間よ」


寝てた?知らぬ間に外は明るい。

さっきは全然起きてこなかったくせに…



この日以降、祖父の深夜徘徊は減ったものの、糞尿のばら撒き頻度はグッと上がった…


学校から帰って来て家に入ると匂う…

宿題をしていても、ご飯中も…

いくら掃除しても匂いは取れない。

多分、昼間誰もいない時に色んな所で小便しているのかも…


この頃、座談会はヨーコばあばの家ではなく高梨家でやっている事が多い。

今となっては、郷田の事も全く怖くない央吾にとっては煩わしいだけだ。


その高梨家の中が糞尿臭い…

父も央吾も単純に嫌だったが、それを極端に嫌っているのがピッコロ大魔王こと母である。


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