第48話 case 4-弱肩&鈍足
オサムはチームの4番バッターで長打力もあり、チャンスにも強い。
今日の決勝戦でも2安打4打点。
でも央吾にも自信があった。
途中からはピッチャーとして出場し、ちゃんと抑えた。(1点取られたが…)
走るのも早いのは、俺。(スグルの方がもっと早いが…)
長打力は負けるが打率は絶対、俺。(今日は1安打だったが…)
何より守備が上手いのが、俺。(今日は暴投してしまったが…)
まさかこんな田舎の大会に超名門校のスカウトが来ているとは考えてもいなかった。
PLは凄い、PLからのスカウトはエグい。
スグルのマリカーと同じぐらい…いや、それ以上か。
「凄えなぁ、オサム。さすがうちの4番だな」
キャプテンのアキラはなぜか誇らしそうだ。
アキラは身長が4年生の平均ぐらいだが、ガッツがありムードメーカーのキャッチャー。
「俺の身長じゃスカウトこねぇか」
「身長だけの問題じゃないけどな。小4にしては上手いけど」
ナオトが少しバカにした様な口調で煽る。
そして、いつも一言多い。
多分始まる…
「うるせぇよ!バカにすんな」
「肩弱すぎだろ、本当に小4か?」
「小6だよっ!足遅ぇくせに」
「何だとこのヤロー!ちびは黙れっ」
ほら、始まった。いつもの喧嘩…
確かにアキラは弱肩でナオトは足が遅い。
2人とも的を得ているが、バリエーションが少なくいつも同じような口喧嘩だ。
まあ小6ならこんなもんか。
「お〜い、帰るぞ。早く準備しろ」
監督はいつも喧嘩が始まる頃にやって来る。
ナイスタイミングだ。
「はぁい」
皆んなが返事をすると喧嘩も止まり、ボロボロのマイクロバスに乗り込んだ。
バスの中でもオサムの話で持ちきりだった。
(オーゴ)「どうするの?PL行くの?」
(オサム)「うん、俺は行くつもり」
(ヨータ)「大阪だよね?寮でしょ?」
(オサム)「大阪遠いよなぁ…」
(ナオト)「大浴場にウンコ浮いてそぉ〜」
(スグル)「それは無いでしょ」
(アキラ)「市民プールには浮いてるけどな」
(ヨータ)「幼児用プールだろ?」
(アキラ)「いや、50mプール」
(オーゴ)「汚なっ!ってか何の話だよ」
(ナオト)「ウンコ浮いてそぉって話だろ?」
(スグル)「だから、それは無いでしょ」
(ヨータ)「中学生だからな、それは無い」
(アキラ)「でも、50mプールだぞ」
(ナオト)「ウンコしたのお前じゃねぇの?」
(アキラ)「違うわっ!バカ」
(ナオト)「小4ならあり得る」
(アキラ)「6年だよっ、覚えらんねぇのか?」
(ナオト)「身長見るとついつい忘れるわ」
(アキラ)「バカでしたぁ〜、バカ発見!」
(ナオト)「弱肩キャッチャー!」
(アキラ)「鈍足ヤロー!」
はい、始まりました。しょーもな…ハハハハ
アキラとナオトがいるといつも話が前に進まない…まあ面白いっちゃ面白いけど。
「お〜い、もう着くぞ。降りる準備しとけよ」
やっぱり監督はナイスタイミング。
家に着いた央吾は早速オサムのスカウトの話しを母に喋った。
「そうそう、山田クラブの子を見に来てたらオサム君と央吾を見つけたらしいわよ」
「え?」
「やっぱり、央吾って上手かったのね」
俺にも来てた?PLのスカウトが…?




