表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間体験  作者: hi07


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/70

第27話 case 3-発砲音

アビゲイルとエヴァは部屋に戻り、寝る前に今日の楽しかった一日を振り返る。


「今日も少し飲み過ぎたかなハハハ」


「そうですねぇ、私もです。皆んな楽しい人ばかりなのでついついお酒も進みますねぇ」


「今日もカールは酔っ払ってたなぁハハハハ」


ウィリアムズは毎晩の様に酔っ払ったカールの介抱をしていた。


「ところで、今日の月はやたらと大きく見えましたねぇ」


「今日は確かスーパームーンの日だよ。月との距離が一番近いんだ」


アビゲイルは自慢そうに話した。


「へぇ〜、何でも詳しいですねぇ」


エヴァはおだて上手だ。


「さて、もうそろそろ寝るとするか。痛たたた」


「そうしましょう。それよりも腰大丈夫ですか?」


「痛みがとれるのに、まだ数日はかかりそうだなハハハハ」


そして、2人は明日を楽しみにし眠りについた。




エヴァは部屋の隅に引っ張られる様な感覚で目を覚ました。

大きく舵を切ったせいか、椅子も動き車椅子も倒れた。

その音でアビゲイルも目を覚ましたが、直ぐに眠りにつくと、それを見たエヴァも安心したのかあまり気にせずまた深い眠りについた。


また何かの物音で目を覚ましたエヴァは外が騒がしく、アビゲイルを直ぐに起こした。


「あなた、あなた外が騒がしい様なんですが」


「ん?ん〜」


アビゲイルはまだ酔いが覚めておらず、片目が開いていない。エヴァの様子がおかしい事は分かったアビゲイルは、無理矢理体を起こすと異変に気が付いた。


「やたらと騒がしいなぁ」


「そうなんですよ、こんな夜中にどうしたんですかねぇ」


「ちょっと様子を見てくるよ」


腰の痛みをなんとか振り切りベットから出ると、一旦背筋をグッと伸ばした。

その時、足のつま先まで激しい痛みが走り、一瞬で足が痺れた。


「痛っ…」


動けない…と思ったアビゲイルは恐る恐る右足を前に出すと、何とか動いた。ただ、いつもの感覚ではなかった。それでもまず様子を確認しようとドアへ向かう。

ドアを開けると直ぐに異変に気付いた。

乗客が右往左往している。

慌てふためく人達に何が起きているのかを聞いたが、誰もアビゲイルの声に耳を傾けなかった。皆、状況が分からずパニックになっている。

足を引きずりながらもドアを出て左にある大階段へ向かっていると、階段を駆け降りる青年に向かって発砲音が聞こえた。

アビゲイルはこの混乱は銃乱射による物だと考え、直ぐに部屋に戻った。


「この部屋から出ない方がいい」


アビゲイルは部屋のドアの鍵を閉めながらエヴァに伝えた。


「何が起きてるんですか?」


「銃を持った男がいる」


外の様子を伺っていたエヴァは杖を持ちドアの近くまで来ていたが、驚きと恐怖のあまり絶句しその場に座り込んでしまった。

アビゲイルは震えるエヴァの背中に上着をかけた。


「この部屋にいれば大丈夫、とりあえずベットまで行こう」


言う事がきかない足で何とかエヴァを立たせるとベットまで一歩一歩ゆっくりと進んでいた。



ガシャン!!


シャッターが閉まる様な音が聞こえた。少し不思議に思ったが、犯人がこちら側に来れないように乗員が閉めたのだと思った。


アビゲイルはずっとエヴァの背中をさすりながら、

「大丈夫だ」

と声をかけ続けた。

暫くするともう銃声は聞こえず、騒がしかった外も静かになった。

アビゲイルが様子を見に行くため立とうとすると、エヴァは腕を掴み、

「ここにいて下さい」

声は震えている。


どのくらいの時間が経っただろうか、2人は長い間ただただ静かに座っていた。



ガシャン!ガシャン!

シャッターを叩くような音が聞こえ、2人に緊張が走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ