第16話 case 3-ジアナの妻シャーロット
ニューヨークのジアナ家では…
シャーロットが金髪の長い髪を振り動かし怒っていた。これこそ、完全なる鬼の形相である。
「はっ⁈車っ⁈飛行機じゃないのっ⁈…6時間以上かかるわよ⁈」
「え?車だよ。言ってなかったっけ?」
「無理無理無理無理ぃぃ!飛行機で行けば2時間もかからないわ、飛行機のチケット取って!」
「シャーロット、今日になってそれは無いだろ、せっかくお義父さんに借りたんだ」
「途中で故障したらどうするの?サディもいるのよっ、歩けないわ」
(サディではなく、君が歩きたくないんだろ)とは絶対に言えないジアナであった。
「フォード社産の高級車だよ、故障なんかしないよ。それに今から飛行機のチケットなんか取れないよ」
(どうせ助手席に乗って、寝ているだけだろ)
とは絶対に言えないジアナであった。
納得のいかないシャーロットは電話をかけ始めた。
「お父様っ!今からボストン行きの飛行機を3席押さえてっ!お父様なら出来るでしょっ!お願いっ!」
義父の秘書であるジアナは腰に手を当てうつむきながら頭を横に振っていた。
呆れてものも言えないとはこの事だ…。
すぐに電話を終えたシャーロットが戻ってきた。
「お義父さん、何て?」
「久々の休みだから、そんな事でいちいち電話してくるなって…」
「そりゃそうだ、1ヶ月振りのちゃんとした休みだからね。もう車で行くしかないよ」
「無理っ無理っ、絶対嫌よ車なんて。車なら私行かないからっ!」
シャーロットは癇癪持ちで、一度言い出すと絶対に曲げない性格であった。
ジアナは仕方なく航空会社に問い合わせたが、席は開いている訳もなく、キャンセル待ちにかけるしかなかった…
「とりあえず支度して、キャンセルが出るかもしれないから」
駄々をこねるシャーロットとどっちでも良いよという表情のサディを車に乗せ、3人は空港へ向かった。




