↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間体験  作者: hi07


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
138/171

第137話 case 5-吐瀉物…?…、ジ…ジムス?

キンコーン…、


呼び出しのチャイムが鳴ると2人同時に玄関に目を向けた。


「スティーヴン、私、ジェーンよ」


扉の向こうからジェーンの明るい声が聞こえて来た。

するとスティーヴンは、


「な?何回もチャイムだけ鳴らさないだろハハ」


スティーヴンは30秒毎に11回鳴らしたアーサーに向かって笑っている。


「確かに…、だが恋人のジェーンと私では立場が違うだろ」


「いやいや、立場とか関係ないだろハハ。きっとボート部のやつらでもそうしてるよ」


「そうなのか、じゃあ次からはそうしよう」



キンコーン…、


「スティーヴン!?大丈夫なの!?」


返事をしないスティーヴンを心配してかジェーンは少し焦った様子だ。


「ごめんごめん!カギ開いてるから入ってきて」


部屋に入って来たジェーンは驚いた。

あんなに塞ぎ込んでいたスティーヴンが部屋に人を招き入れている。恋人のジェーンですら拒んでいたはずなのに…

しかも談笑している。

その相手は、あの天才無愛想アーサー。


ジェーンは軽くジェラシーを感じたものの、久々のスティーヴンの笑顔を見て一安心した。


安心して気が緩んだからか、ただならない異臭に気が付いた。


「何か、凄い臭い…臭くない?」


テーブルの上に目をやると緑色のドロドロした物…


「スティーヴン!大丈夫なのっ?吐いたのっ?」


スティーヴンとアーサーは目を見合わせた。


「アッハッハッハ、ハハハハ」


スティーヴンだけが大声で笑い出した。スケートの日以来に見るそんな姿にジェーンは心配と嬉しさが入り混じり困惑していた。


「吐瀉物ではない」


アーサーは冷静に静かに言うが、動揺からか瞬きはしていない。

コップに注がれたスーパーオキシド・ジスムターゼ酵素の塊を睨みつけている様にも見える。


「え?じゃあ、これは何?」


ジェーンは素早く視線を動かし2人の顔を交互に見た。


「スーパーオキシド・ジスムターゼ酵素を多く含んだ野菜や果物をミキサーにかけた物だ」


「スーパー?…ジ、ジムス?」


一回では絶対に聞き取れないこの名称。当然ジェーンは聞き返した。


「スーパーオキシド・ジスムターゼだ」


アーサーは再度事務的に答える。


「いや、だから…それは何?」


ジェーンはスティーヴンに顔を向けて聞いた。


「スーパーオキシド・ジスムターゼは、僕の病気の進行を遅らせてくれるかもしれない酵素なんだって。そしてそのコップの中身が、スーパーオキシド・ジスムターゼの塊と言うわけなんだが…」


「ほんとっ!?凄いっ!」


「データとしては20%だ…効果があるかどうかも分からない…が、ゼロではない」


アーサーは効果は絶対的ではないと言う事を、念を押し説明した。


一気に上がったジェーンのテンションは一段階下がり、喜びの表情からスンとした目に変化した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。