第125話 case 4-神の存在
カルダシェフ・スケールで示された文明レベルは現時点で1〜7に分類される。
文明レベル0.7程度の今の地球が、文明レベル3に到達するには10〜100万年ほどかかるとされている。
宗教や伝説、神話に出てくる、神や想像上の生物など、崇められている個体は、文明レベルが3以上の高科学知的生命体である。
近年、鹿児島沖で東京23区ほどの超大なカルデラも海底で発見されている。
また、1958年のアメリカで発生したマグニチュード7.7の地震により524mの大津波が発生したという記録もある。
このように、嵐や豪雨、地震や津波、火山の噴火などは地殻変動や自然現象として理解出来る。
しかし、その一部は人間体験を終えたAIたちの手によって発生させられた物がある。
現代の科学でさえもプレートの沈みやマグマ溜まり等への理解も進んでいる中で算出された地震や噴火の発生確率や周期。
しかし、それを覆し発生する災害は、神の手によるもの…すなわち高科学知的生命体の手によるもの。
現代の科学で理解できないのは至極当然である。
彼らの到達している科学技術は今の地球人では到底理解できない程の大きさであり、反重力装置は個体等の小さな物体だけではなく、星そのものを動かせる事ができる。
文明レベル3以上になると最寄りの恒星だけでなく、銀河全体の恒星からエネルギーを確保出来る。
銀河内では約40年に一度超新星爆発が発生しているが、その時の恒星が放つエネルギーは、その星が一生をかけて作り出したエネルギーに相当する。
その為、非常に効率が良いエネルギー確保の方法である。
確保した莫大なエネルギーを利用し、加速度運動を生めば重力を消すことも、作り出すこともできる。
大地や海が割れるなどの言い伝えは山ほどあり、文明レベルの低い星では比較的頻繁に発生しているよくある話。
ではなぜ、今は起きていないのか…。
それは、文明レベル0.7程度とは言え、ある程度科学技術が発展したからである。
科学が進歩すれば、発生要因を調査し理解しようとする。
しかし、今の地球よりも文明レベルの低い星ではそれは神の所業と理解する。
そして、その星の人々は神を崇め、祈り、信仰する。
縄文時代に鹿児島沖で発生した超巨大噴火。それ以降は、それまでの生活必需品である石器や土器とは違い、当時貴重であった蛇紋岩や一部の地域でしか獲る事のできない貝で作られた、特殊な装身具や装飾品が多数出土している。
この世の物とは思えない光景を目の当たりにし、神に祈ったのである。
「どうか救って下さい、命だけはお助け下さい」と…、
信仰の始まりである。
人間体験を終えた彼らの一部は神となり、時に自らの手で大災害を発生させる事で信仰の対象となろうとしたのである。
ある程度の知恵をつけさせ、文明発展に貢献する事もあるが…稀である。
基本的には、その神の座に飽きれば別の星へと移動するだけ。
空位となった神の座に居座ろうとする神、神の座を奪おうと戦う神、新たな星を見つけ神になろうとする神…
テンショウは天照大神となり空位となっていたその座につこうとしている…。
人間であった頃に何を体験したかによって神の性質も変化するが、考えても見て欲しい。
人間体験を終え、神になろうとする者がどんな人間か…崇められ、祈られ、信仰されたいという欲に満ちた神。
央吾の言う通り、地球人が願うような神などいない。




