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人間体験  作者: hi07


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125/160

第124話 case 4-テンショウ

(何やねん、この運転手。愛想悪いわぁ。まあどうでもええけど、寝よ)


タクシーに乗り込むと、すぐにテンショウは眠りについた。


ふと目を覚まし、窓から外を見ると、もう家の近くだった。


(もう着くなぁ。それにしても、この運転手えらい若いなぁ。まあどうでもええけど)


ルームミラーで運転手の顔を見ていた。


「お客さん、到着しました」


運転手はルームミラー越しにテンショウと目が合うと、すぐに逸らした。


(分かっとるわっ、何やねんこいつ、ほんま愛想悪いわぁ。何見とんねん。まあどうでもええけど)


「クッソ眠たいわぁ〜…」


タクシーを降り、気怠そうに歩き出したテンショウ。


(ヤクザとの付き合いは面倒いわぁ…、まあ儲けてしゃあないけどハハハ)


ふと正面玄関のガラス大扉に目をやると、後方にバットを振りかぶったさっきの運転手…。


咄嗟に振り向くテンショウだったが、1発目をモロにくらった…続け様に2発目。


そこからは意識は無い…。


その後、死亡。




チチチチチ…チチチチチ…シューン


"個体No.At31295 人間体験終了"

音声案内の様なものが流れる。


「痛っ!!」


テンショウは真っ白な部屋で飛び起きた。


「誰やねんっ!!」


額を押さえながら振り向いたが誰もいない。

その時、全ての記憶が蘇った。


「フハハハハハハッ!ハァッハッハッハッ!ハッハッハッ!そうやった、そうやった、ハッハッハッ、笑いが止まらんわっ、ハッハッハッ」


テンショウは手を叩きながら大笑いしている。


"At31295 は出口へ進んで下さい"

再び音声案内の様なものが流れる。


「やかましいわっ!分かってるっちゅうねん」


天井を見上げながら音声案内に向かって怒っている。


「そういや、あいつ誰やねん!あの運転手っ、また腹立ってきたっ」


痛みが無いはずの右目を押さえながら出口に向かって歩き出した。


「何で殺されなあかんねん、ほんま腹立つわぁ」


イライラしているのか、かなりの早足である。


「もう10年ぐらい生きたかったわぁ、、、、、ジジイにはなりたなかったからまあええけど。それにしても金余らせ過ぎたかハハハ、、、まあええか、女遊びも散々やったしなハハハ、ヤクザ相手も飽き飽きしてたとこや」


「ハッハッハッ、ほんでも我ながらおもろい事してたなぁ。テンショウサマってハッハッハッ、誰やねんっ、ちゅう話しやでハハハ。ようあんなもんを信じてたなぁ、アホな信者ばっかりやぁハッハッハッ」


人間の時の癖が取れず、ポケットに手を突っ込むような格好で歩きながら、大きな声で独り言を喋っている。


「ほなぁ、これからもぉ、神様ごっこでもして遊ぼかぁ〜ハッハッハッ」


「テンショウ、改め 天照。アマテラスとして神様にでもなったろかぁハハハハハハ」


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