第110話 case 4-道連れ
「…、じ…、…自…殺…、…?」
全員が固まった。
「い、いやそれ「それはないっ、絶対にそれはない!だよなっ?オーゴ」
央吾が喋ろうとした時、タケシが激しく否定した。
「あぁ…、…絶対にない…、…、昨日もあんなに…、…、あんなに楽しそうに笑ってたんだ…」
央吾は佐々木とのこれまでの事を涙ながらに伝えた。
“絶対に自殺なんかしない”それをどうしても分かって欲しかった。
“何言ってんだこいつら”と言う警察への不信感もあり、央吾の表情は悲しさの上に怒りが覆い被さり、歯を強く噛み締めているのは、誰の目にも明らかであった。
「私は担任ですが、彼女は成績も優秀です。先を見据えての勉強もしっかりとしていました。部活のテニス部の顧問からも評判は良かった。地道な体力づくりにも励んでいたと聞きます。そんな子が…そんな子が…とても自殺するとは…考えられません…」
佐々木の担任である、原田も意見した。
ユージローも話し出した。
「ミオさんは、自殺をするような子ではありません…。オーゴ…彼との関係も良好で最近は特に楽しそうでした」
「そうか…、…実は…、詳しくは話せないんですが…、…
そう言うと警察官は状況を教えてくれた。
実は、佐々木の部屋で亡くなってたいたのは、佐々木だけでなく、父親も発見されていた…
そして、それは無理心中であり、密閉された佐々木の部屋で練炭自殺をはかったとのだと言う…
ドゴンッ!!
央吾が机を思いっ切りぶっ叩いた。
担任の石川がその音にビクッと驚く。
「クソッ、クソッ、クソッ!っんだよ、それっ!
父親に道連れにされたってことかよっ!!」
このやり場の無い怒りは、央吾の心の傷を更に深くえぐった…机にぶつける事しか出来なかった…。
警察官が帰った後も、行き場を無くした怒りや悲しみがナイフの様に鋭くなり、央吾の体の中を掻き乱し、切り刻んだ…。
立ちくらみを感じた時、突然嘔吐した…
央吾はまたすぐに保健室に行く事になった。
精神的な面から発症しているこの体調不良は、当然回復の見込みもなく、この日は授業を受ける事なく央吾は帰宅する。
家に着くとチロが居ない事を思い出す。
また泣けてきた…。相棒である、チロの事を忘れていた自分に腹が立つ…。
リビングには顔を出さず自分の部屋へと階段を上がった。
チロの遺影と遺骨は央吾の部屋に置いていた。
チロの前にあぐらをかき座ると、まず謝罪した。
「悪ぃ、チロ。色々あり過ぎて、お前の事忘れてたわ…、…、実はな、佐々木さんが…、、、
今日あった事をチロに全部話した。
時々涙を啜りながら…
「お前と約束したのにな…、…俺笑ってるぞって…、…、全然笑ってねぇや…、ハハ…、笑えねぇ…」
「じいちゃんって、ばあちゃん死んだ時、きっとこんな気持ちだったんだな…」
「何が悪かった?どうすれば良かった?そんな事言ってたな…テンショウサマに向かって…」
テンショウサマなんか、神様なんか居ないのに。
そして葬儀の日、、、、
央吾は佐々木の葬儀に参列し、意外な事実を知る事となる…




