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登場人物紹介と小話&イラスト紹介

登場人物を紹介を後半にザックリと。

ほか、拍手での小話を載せます。たまに増やすかも?


挿絵(By みてみん)

※オカさんから頂いたイラストです♡



【ラスメリナでの修業中】


 双子の弟である翔は、ラスメリナの王様をやっている。

 ……やっているっていうのもなんだか変だけれど、あんな翔でも締めるところはきちんと締めているようで、たとえ普段の事務仕事をユーグさんに丸投げしてるとしても、信頼は得ているらしい。

 私は翔から『扉』を学ぶため、レーンから単身ラスメリナへと来たけれど、その翔が多忙すぎてなかなか私との時間がとれなかった。

 先日も、サーラがいる離れの建物に行くため回廊を歩いていたら、唐突に翔が〝降ってきた〟。

「キャッ! か、翔!?」

「いよっす久し振りー!」

「ちょっと! いつになったら『扉』を教えてくれるの?」

「あーそーだったね! んじゃとりあえず、ねーちゃん、自主トレしといてよ!」

「えっ! 自主トレって、そもそもやり方……」

「適当だよそんなの。前も一回みたろ? あんな感じねー」

 そういうと、ピュイッと口笛を吹くと、辺りが一面暗くなった――

 ふ、と空を見上げると、視界いっぱいにゴツゴツした岩肌が見えた。

 いや、ちがう。これは……

「風竜!?」

 翔は、タンッ、タンッ、と壁や屋根を蹴りながらどんどん上へあがり、垂らされた風竜の尻尾に飛び付くと、私に向かって大きく手を振った。

「俺、いまから山賊退治行ってくるから! んじゃねー!」

「ま、待ちなさいよ翔!」

 大声で呼びかけても、翔はいつもの気が抜けるような笑顔を向けただけだった。

 風竜が、翼を大きくはためかせると、ぶわっと突風が襲ってきて、とっさに身をかがめた。

「帰りにジェネんとこ寄ってくからー!」

 ぶわっと空高く舞い上がった風竜の頭の上に移動した翔は、再び手を大きく振ると、あっという間に彼方へと飛んで行ってしまった。

 ……ジェネのとこに寄るんだ。私も行きたい……って言えばよかったな。

 もう二ヶ月会っていない。声も聴いていない。

 私も精霊姫としての能力はあるから、レーンまで一人で行けることは行ける。けれど、『扉』を習得するまでは会わない、と誓いを立てたので、ぐっと我慢している。

 我慢している……けど、たまに泣きそうになるんだ。

 あの日、あの夜、あの部屋で。同じ月を見ていたことを思い出しては、そっと夜空に想いを乗せる。

 翔の言う自主トレは、チラッと見た限りの『扉』をイメージしろということかもしれない。双子の弟が出来たんだから、私にだってできる……と思う。

 早く会いたいから。

 早くジェネに会って、ただいまって言って……抱きしめてもらいたい。

「よし。頑張らなきゃ」

 そして私は、一歩足を踏み出した。



 その後帰ってきた翔によると、レーンに寄って、ジェネと二人で山賊退治をして食堂でご飯を食べたらしい。

 そこで、どうして私を連れてこないとジェネがお怒りで、翔をボッコボコにした――と。

 笑いながら言う翔に、一言いいたかったけれどやめた。

 翔は竜を従えるほどの力の持ち主で、されるがままなんてありえない。けれど、翔はジェネの気持ちがわかっているから、好きなようにさせていたんだと思う。もちろんジェネだってそれを分かっているからこそ、加減をつけて気の済むようにしたんだ、と。

 でも、男って分からないや。言葉で伝えれば済むことじゃない。

 呆れる私に、それが男ってもんだよって翔は笑って私の手を取る。

「じゃ、本格的に訓練……する?」

 笑っているけれど、翔の目の奥は真剣だ。

「……望むところよ」

 大好きな彼の下へ飛び込む日を、この手にするまで――


 * * *


【七夕】


翔子「短冊にね、願い事を書くのよ」

ジェネ「年に一度の逢瀬、か」

翔子「私達も同じだね。そもそも世界が違うし」

ジェネ「“扉”はもう自在か?」

翔子「うーん、まだ自信無いの」

ジェネ「そうか」

翔子「願い事書けた?」

ジェネ「ああ」

翔子「えーと…“必ず我が懐に戻りますように”?…ん、当然!」


 * * *


【クリスマス】


「ショーコ、クリスマスという単語があちこち飛び交っているんだが、クリスマスとは一体何だ」

「書き入れ時」

「かき……?」

「翌日の清掃が辛い」

「翌日……??」 


(翔子はリゾートホテル勤務でした)


 * * *


【バレンタインデー】


「ショーコ?」

「わっ! ジェ、ジェネ!?」

「姿が見えず心配したぞ」

「え、あ、あー……ちょっとイル・メル・ジーンの所へ行っ――」

「あいつなら俺と一緒にいたぞ」

「じゃあハルの――」

「じゃあとはなんだ、じゃあとは。それに、ハルも傍にいたが……」

「え、えへ?」

「ショーコ、俺に言えないことか」

「うん……ごめん、まだナイショ」

「――そうか。国の宝であるショーコには、俺にも言えぬ重要な責務があるのだろう。無理に尋ねて悪かった」

「うわっ! そんなオオゴトじゃないのよ? ちょっとの間だけ、ね?」

「姿が見えなくなるだけで不安になる。また居なくなってしまうのでは、と」

「あれは翔が悪いんだし、私はもう自力で行き来できるわよ?」

「抱きしめてもいいか?」

「えっ。い、いいけどちょっと、その……人目が……」

「いいだろう、すでに周知の事実だ。…………ショーコ、甘い香りがする」

「んんっ、そ、そう? ききききのせいじゃないかな」

「このまま食べてしまいたい」

「キャー! ダメダメ何それダメよダメー! じゃ、またあとでね!!」

「ショーコ!?」


 ――ふう。

 実家(日本)に一人、扉を開けて戻ってきた私は、ようやく落ち着きを取り戻した。

 あちらの世界に、チョコレートは存在しない。だから、こちらから材料を持って行って食堂の厨房を借り、その場で作るのも憚られるのだ。

 こっそり作るにも、チョコレートの香りはかなり立ちのぼるので、すぐにバレてしまうだろう。

 それならば作るなよ、とは思うのだけど、私にはどうしても作りたい理由があった。


 だって、好きな人に渡したかったんだもん。


 乙女な感情は、時空をも翔ける。

 もうすでに人妻となってはいるけれど、バレンタインデーに本命へチョコを渡すイベントをやってみたかったのだ。

 翔やお世話になっている人へは何度かあるものの、ある意味いつもお世話になっておりますのご挨拶代りだったりする、義理チョコ。

 友達がハート型の大きなチョコレートにラッピングを可愛らしく施して、大好きな人へ渡しに行くのを羨ましく見ていた。いつかは私も、想いをのせて渡したい……と。

 室内は、チョコの香りでいっぱいだった。

 ジェネだけにあげるのだけれど、大きなハート型チョコ、トリュフ、ブラウニー、チョコチップクッキー、フォンダンショコラにガトーショコラ、チョコ生キャラメルetc……

 若干作り過ぎた気もするけれど、日持ちもするし大丈夫だろう。

 憧れていた可愛らしいラッピングをして、準備はできた。

 後は、心を込めて、愛を込めて渡すんだ。


 ――好きです。


 * * *


【こちらの世界での立場】


「あーどうしよっかなあー」

「なによ。あんたが悩むなんて珍しいわね」

「うっさいな。繊細なんだよ僕は」

「極太の神経のクセによく言うわ。それで?」

「うーん、あっちの世界でさ、どうも僕にナイショで楽しいことをするっぽいんだ」

「そりゃあんたに来られちゃ台無しになるからよ」

「うっわ、ひどっ!」

「内緒にしておきたい程大事な用件なんでしょう」

「……ひどいじゃないか、それ。僕一応アイツの上司なんだけどなー」

「……だからじゃないの?」


(捕獲大作戦で結婚式がある頃のぼやき)


 * * *


【ジェネシズの誓い】


手に入れた温もり。

二度と離すつもりの無い熱。

こちらとあちら、彼女が選んだのは俺のいる世界。

糸を絆に。

恋を愛に。

より強く、より深く、君を愛する事を誓う。


 * * *


【上司と部下】


「はっかまっだ課長~?」

「なんですか気持ち悪い」

「うっわヒドイー! けーちゃんヒドイー!」

「袴田です。で、私はなんの尻拭いすればいいのですか」

「僕まだ何も言ってないのによくわかったねー?」

「いつものことですから」

「えーと、農家の婿養子になるって聞いてさー」

「……それがなにか?」

「実はだよけーちゃん」

「袴田です」

「僕、王様やってるっていったじゃん?」

「そうらしいですね」

「ま、そういう反応だと思ってたけど~? まあ今度連れていく――」

「結構です。ラスメリナでしたよね。治める国は」

「えーいいじゃーん。旅行気分でどうよ? あっ! 新婚旅行って手もあ――」

「結構です。海野顧問お忙しいですよね? 用が無いのならこれで失礼させていただきます」

「ああっ! まってまってー! えーとえーと、そう! 僕みたいに力があるヒトならいいんだけど、ウッカリ異世界トリップしちゃうヒトが結構いてさ。あっちからも、こっちからも」

(詳しくはこちらを参照→『世界を翔ける!』異世界へようこそ5)

「……」

「そーゆーヒトって、元いた場所に戻れなかったりする場合があるんだよね~。で、けーちゃん」

「袴田ですけどそこで私の名が出ますか」

「そのヒト達を使ってくれない?」

「…………は?」

「いや~、ほら、人道支援だと思って~」

「駄目です」

「え~」

「例え人材があるとしても、言葉の壁や戸籍はどうするのですか」

「あ、それならダイジョビ。『扉』抜ける時にその世界に合うよう体の造りから何から再構成されるようにできてるからさ~。戸籍はウチの会社がなんとかする。役職上がる時言ったよね? 上層部はそういう人たちばかりなんだよ~」

「ご都合主義ですね」

「身も蓋もないな、けーちゃん。まっ、業務命令でもあるから」

「袴田です。いい加減覚えてください。拒否権はないのですか」

「まあね~」

「…………」

「どしたの溜息なんて~。いいオトコはそれだけでサマになるからいーよなー」

「確かに私はいずれ農家を継ぐ事になりますがね、経営者として」

「うん。だからウチブランドで売るってば。ま~僕に任せときなよ」

「とても不安ですけどね」

「じゃ、よろしく~!」

「待ってください」

「ななななにかなけーちゃん」

「袴田です。任せてよという言質は取らせていただきましたので、これより新規業務の概要と事業の概算収支、それに伴うシステム概算見積り、色々と詰めなければいけない内容が沢山ありますのでどうぞ第一会議室へ。清水も呼びますけどいいですよね?」

「え、ええ~、その辺はけーちゃんうまくやっといてよ~」

「袴田です。私も過疎化する地域に少しばかり思う所があったので、丁度いい機会です。海野顧問、よろしくお願いしますね」

「け~ちゃん目が怖い~」

「袴 田 で す 。予算計上までは逃がしませんよ」

「げげげー!」

「折角の新婚旅行に仕事を盛り込んだ恨みも多少ありますし」

「それはごめんなさいってばー。あっ、僕ちょっと用事が――」

「さあキリキリ働いていただきましょう」

「ひぇーーーっっ!」




〓〓〓〓〓〓〓〓

 登場人物紹介

〓〓〓〓〓〓〓〓


海野うんの 翔子しょうこ

私。23歳。母子家庭だったので、高校卒業してすぐに働き始める。

一人何役もこなすリゾートホテルだったので、受付、接客、厨房、清掃をやっていた。

しかし、なんやかんやあって実は別世界からやってきたのだと知る。

精霊姫にも、なんだかんだなってしまう。地、水、火、風、光、闇と契約が済んでいるが

公表は恥ずかしいらしい。基本、裏方が好き。

料理とか、生活習慣とか、あまり文化を持ち込みたくないと思っている。

あるもので工夫はアリ。

男装に萌えてたので……つい……。ほら、もともと女性なのに男装して、ときに

女装しなくちゃといった場面で綺麗とか言われちゃってヤダ恥ずかしいでも実は女なのーっていう

展開が超好みでした。随所に……ああ私ってば(笑)


海野うんの かける

僕。23歳。翔子の双子の弟。おねーちゃんが大事。

二文字以上の名前は覚える気がないので、適当に呼ぶ。

メンドクサイこと嫌。最短で済まそうとする。デタラメだとよく言われる。

王様になったのは、ジェネの為。レーンとラスメリナがあれこれあるなら

「じゃあ僕がこっち抑えちゃうわー」とアッサリ。

どうやら運命の相手がいるらしいが、こればっかりは口が貝になる。


ジェネシズ・バルドゥ・レーン(ジェネ)

私、俺。27歳。隊長。王兄らしい。

異母弟だけど可愛がり、その為に辺境から正規に試験を受けて軍部へ。剣の誓いを何度か。

……この頃単に「やっべー隊長って響きサイコー萌え萌え!」って思っていたので

隊長と呼びたかっただけという……ごめんよジェネさん。


ハルドラーダ・メッシ(ハル)

私。40代の色気ムンムン男も女も来るもの拒まずのモテモテ設定。

対等に付き合えるのは、その色気になびかない者だけ。

坊ちゃんに仕えてる。らしい。


イル・メル・ジーン

私。オカマ。超絶美人だけど実はハルと同じ歳。

『災厄』と言われるほど結構迷惑な存在だが、魔術使うのでしょうがないよ。


ロゥ・グイラン

私。敬語。事務処理は右に出るものがいない程。

冷静沈着。最後の最後に翔のウッカリでかわいそうな目に合って、いい思いをして帰ってくる。


アルゼル・クランベルグ←騎士団長

リィン(海野 鈴子)←前精霊姫

翔子や翔が読んだ物語の主人公がこの二人で、両親だった。


ディエマルティウス・アルディアント・レーン(マルちゃん)

俺。15歳。

傀儡政権なんていわれちゃう可愛そうなぼくちゃん。虚勢を張るけど翔子に甘えてしまう。

母親にきつく言われてしまうが、ジェネ兄が一番のアコガレ。


精霊たち

五歳くらいの子供の姿をしている。

翔子が契約の為名付けた。

火→(ほむら)、やんちゃ設定「うっせーよ!」

水→飛沫(しぶき)、冷静「騒がしいですね」

風→疾風(はやて)、おこちゃま「もー! うるさーい」

土→息吹(いぶき)、寡黙「……」

闇→(とばり)、単語「賑やか。うるさい」

光→ひかる、優等生「静かにしてください」

ほっとくと漫才というかコントが始まる。

三文字の名前を考えるのが非常に難しかった。


……その他大勢。


このお話が初めて小説です。

今見返すと、ビックリするほど覚えていない(笑)

そもそも双子設定ってなんだよとか自分でツッコミいれています。

マルちゃん、前半15歳なのに後半16歳って書いてると発見。しかし放置。

大体がそれっぽく纏まってよかった。

最初、メモ程度に設定を書いていたんですが

「異世界へ→馬車に乗る→襲われる→湖で「見ちゃダメー」→城へ」

……異世界へと城くらいしか合っていない様な……おかしい……



もっと登場人物いるけど、カットでw


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