吾輩は猫である。現猫好きの、ただの異世界の猫である。
追記:書いたばっかでアレですが、今後の設定と大きく矛盾する点があったので大規模に修正しました。読み直していただけるとありがたいです。
暖かい…
湯たんぽに包まっているみたいだ…
しかもこれ、モッフモフだぁ…!
しかし身体がヌトヌトだ…
自分を包んでいるものをモフる。
何かは分からない。
しかし本能がそれをモフれと叫んでいる。
それが性なのだ。
指がうまく動かないな…
アレ?目も上手くあかない?
手足の位置にも違和感があるぞ…?
そう思いつつモフるのをやめない。
あれ…?なんでこうなっているんだったっけ…?
ひとしきりモフった後に冷静になって考える。
確か私は…トラックに跳ねられて…
「う…」
その先を思い出そうとするが、あまりにも酷かったのでやめた。つまり思い出しちゃった。
「はぁ…はぁ…良かった…大丈夫そうね。お腹すいた?」
目が見えない中、口にいきなり何かを突っ込まれる。
…柔らかい。そして何かを汁が出てきた。
うまいな?なんだこれは?
イマドキの病院は点滴ではなく哺乳瓶を使うのか?
そんなわけがない。
あぁ!手足の位置がおかしいのはハンモックで宙吊りさせているからか!んなわけあるか!
ヌトヌトで!点滴を使わないで!口にいきなり突っ込んで!宙吊り?!オマケにいらないところに毛布?!なんだそんな病院!
あ、でもうまい。
しばらく動けなそうだし、目が見えるようになるまでじっとしておくか…
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そして七日ほど経った。
いや、やっぱりおかしい。
点滴なくて、看護師が赤子みたいな扱いしてきて、排泄はその場で、定期的にヌトヌトして、ずっと手足の位置がおかしくて、経過観察もしないで、獣の匂いして。
まるで動物だ!
………ん?
動物……?
あっ!怒りで目をかっ開こうとしたらそのままもうすぐ開きそうだ!
ようやく目を開けれる…
瞼に力を入れる…
が、
「まっ、ぶっ!」
光が目に差し込み、すぐに目を閉じる。
「あらあら、寝起きで眩しいのね、」
先程と同じ優しい声が聞こえた。
「ふふ、寝ても起きてもあなたは可愛い息子だわ」
その言葉に私は疑問を抱いた。
おかしい。
私の母は、若い時に病死したはずだ。
そう思い今度はゆっくりと目を開ける。
目を開けきったとき、目の前の状況が信じられず、さらに目を大きく開けた。
私は青々とした芝生に覆われた丘の上におり、その下には現代のモダン住宅とはほど遠い、木や石で造られた中世ヨーロッパのような街並みが広がっていた。
「ここは…どこ…なんだ…?」
いきなりナニかに空の光を遮られ、あたりは闇に包まれた。
それに伴って、突風が丘を撫でるように辺りの草木を揺らしてゆく。
思わず上を見上げると、赤い鱗と翼を持ったトカゲのような生き物が空を飛んでいた。
「ド、ドラゴン…?!」
あんぐりと口を空けたまま、先程の声の持ち主の方を向く。
そして先程の考えは当たっていたらしい。
そこにはいた――
毛に包まれたスラッとした身体の――
2足で立った虎のように大きな猫が。
「大きい猫ちゃん!」
……まて、息子?
………私が………?
大きな猫のガラス玉のように大きな瑠璃色の目に自分の姿が映る。
―――目の前にいる大きな猫と瓜二つの姿をした白に黒のメッシュが入った猫が―――
「何言ってるのよ〜あなたも可愛い猫ちゃんよ!産まれたての!」
自分の手を見ると、フワフワの毛にぷっくらとした肉球がついていた。
私はフワフワになった自分の手を頬に当て―――
「ええええぇぇぇぇっっっっ!!!」
―――驚きの声を上げた。
私は異世界の猫になっていた。
とりあえず自分の身体をモフった。
普通に考えて猫好きなのに7日かけてようやくわかるって相当なポンコツだね…半分そんなわけないと思ってはいたけれども。
現状確認よりモフるの優先させる…それがモフラー…だっ!(蛇の勝手なイメージ)




