第28話 久しぶり勇者(ユリ編)
さて、私はもうこの村に慣れてしまった。仲間たちから進まないのか?と言われるが、ドンダーケの姫がいるため、情報は入るので、勇者クロスがこの街?村に来ることはわかっているので、合流して、勝負したい。
私はタライマスターになるんだ。どこかの漫画みたいなセリフを心の中で言った。タライマスタリというスキルはあるので、あとは活かし方だ。
攻撃方法が謎だけどまあ、いいや。何ヶ月経ったかな。まあ、もうすぐ来るでしょ。っと思っていたら来た。ロックさんに言われて気付いた感じだったが、いた。
「よう、久しぶり。ユリ姉さん」
クロスがいつの間にか私のことをユリ姉さんと呼ぶようになっていた。えっ?お姉さんでいいの?っと昂る心を押さえて、私はこう言った。
「あー。久しぶり。クロス。元気だった?」
おそらく元気なのだろう。
「おう。おかげさまでな。ってかバランおじさんに会ったぞ」
勇者は船の中での話をする。
「おう。勇者。そのおじさんバランだとバラすのは良くないとか言ってなかったか?」
ロックが来た。やばい。一文字一句違わねぇ。
「え?あぁ。ほとんど違わないこと言ってたぞ」
クロスが言った。
「それ、俺のギャグ。あのおじさんバランのバランスがいいって言ってたから、どんなだよってツッコんで、そのギャグ教えた」
ロックが言った。ですよね。
「まじか。まぁ、ね。だよね」
クロスが言った。
「あと、聖女はタライマスターを目指すらしい」
ロックが言った。
「また、変なことしてるな」
クロスが言った。
それより勝負したい。
「ねえ、久しぶりに勝負しない?」
私が言う。もう楽しみで仕方がない。弟としての力見せてもらうよ。まあ、血は繋がってないけどね。
「俺もそう言おうと思ってた。行くよ、ユリ姉」
クロスがそういうと勝負は始まった。場所は、少し広いところだった。
クロスはとっておきのスキル『蜘蛛の糸』を使って私を拘束した。別に高速ではなかったけど。私は瞬間移動も考慮したがせっかくなので、技を受けてみようと思った。
その時、クロスは必殺技の「魔剣、や剣、マケンゼヨ」の準備に入った。グルグルと回っている。
聖女のお姉さんに勝てる。クロスが予備動作入り、勝ちを確信しているようだった。残念ながら、私の勝ちだよ、クロス。そう、私だって必殺技がある。そう。タライからの水発射だ。しかも光ってる。そう、シャイニングヴァッサーです。私は余裕の笑みを浮かべて言った。
「ふふふ。罠にかかったと思った?私はタライの中に対して魔法が使えるのしかも物理攻撃力でね」
クロスはなんだと?ていうか、なにそれ?そんなスキルあった?って顔をしている。
「なんだと?」
クロスがそういうとつぎは上からタライを落とした。クロスに勝った。やっぱり、タライいいわ。
そして、クロスの意識が途切れた。
クロスが目を覚ますと姫が洗濯機トルネードと乾燥機トルネードで洗濯をしていたらしい。薪を割ってたので私は、知らない。
「あぁ。目、覚めたんだ。見てるだけじゃダメだろうと思って洗濯してたの。便利よ洗濯機トルネード」
姫のセリフで確信した。コイツらやっぱり変だわ。慣れてるけど。私もなのかな。でも、変な人多いよね。このパーティー。
私はというと薪割りしている。意外と音が聞こえるのだ。えっ?旅どうしたの?進まないの?って思われてそう。
「進まないの?」
クロスが言った。普通に。
「いや、待ってみたくなったんだよね。エルなんちゃらさんがドンダーケと仲良かったらしいからあなたがそこにいるのは知ってた。だから待ってたの」
私の言葉にクロスは感動したようだった。帰る場所がある幸せを、噛み締めているような表情で、クロスの表情を眺めているとつられてしまった。
「そうか。俺は少し成長できたかもしれない。やってくれてる事に感謝しなくちゃな。特に、ロックのあの火加減は」
クロスが言った。しみじみと噛み締めるように。
「そうね。私強いかもしれないけど、少し。当たり前に思ってたかもしれない。ありがとう。クロス」
私は頬を液体が滴るのを感じた。きっと汗だ。そう思おうとしたけど、これは絶対感動の涙だ。
こちらまでもらい泣きして、2人で抱き合って泣いた。この時に私達以外は存在を失っていた。てか、見えてなかっただけなんだって事を後で知ったけど知らないもん。




