第八話
悪霊となった女の子を引き取ってから数日が経った。
女の子は落ち着いた様子で、とにかく俺に甘えている。
折られた腕は全治二か月と診断された。
きれいに折れていたので、ギプスが取れるまで一か月くらいだろうと言う事だった。
「今日はこの後佐伯さんに紹介してもらった不動産屋に行くから。ついにこのボロアパートとはおさらばだ」
昼過ぎに不動産屋を訪れて、何件か内見させてもらう。
広めの部屋を多く見せてもらったが、広い部屋はちょっと落ち着かない気がして、結局新築のワンルームに決めた。
佐伯さんには感謝しなければ。最近は稼げているとは言え、普通の不動産屋では多分審査が通らないからな。
引っ越しは来月に決めた。
いつでも入居できると言われたが、最近忙しかったので少しゆっくりしたかったのだ。折れた腕もしばらくは動かせないし。
ボロアパートに戻り、ベッドに横になってうちの子達とコミュニケーションをとる。
「部屋も決めたし、ゆっくり引っ越しの準備していかないとな」
うちの子達はうんうん頷いている。やっと引っ越しが決まって満足そうだ。
幽霊専門のよろず屋だったはずが、怪異も担当するようになってオカルト専門のよろず屋になった。危険な仕事が増えたが、うちの子達は最強なので問題はないだろう。
問題があるとすれば、うちの子達がやりすぎてしまいかねないという事だけだ。
これだけはずっと付きまとう事だから、俺がうまくコントロールしていかないと。
絶対に野に放ってはいけない幽霊達を眺める。
こうしてると犬みたいなんだよなあ……。
尻尾があったらブンブン振っているだろう。
彼女達の多くは俺と一生一緒にいたいと言う意思を明確に示している。
中には俺の死後も憑いてくるつもりらしい子も何人かいる。
彼女達の執着が少々重たくはあるが、触れあっている内に心地よい重さに感じてくるのだった。
文字通りずっと一緒って事だな。
その時佐伯さんから電話がかかってきた。
「さて、また依頼かな」
俺はスマホを手に取って通話ボタンを押した。
メインストーリーはここまでになります。
この後に短編集が続きます。そちらが本体のようなものですので、もう少しお付き合いいただけると嬉しいです。
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