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敗北…?

「ヒュラド……!!」


彼の叫びが虚しく響く。ヒュラドを守りきれなかった。血を吐き床へ崩れ落ちるヒュラド。ピクリとも動かない。それを見てキャリーは楽しそうに微笑んだ。


「あ〜あみんなやられちゃったね〜もうすでにボロボロじゃん。そこにいてくれたらひと思いにやってあげたのにな〜」

「まだ…負けてない……」


足が震え、口のなかは血の味がした。内臓がやられているのは誰の目にも明らかだった。


「立てるの〜?それ、わりと致命傷だよ?」


キャリーが楽しそうに首を傾げる。


「普通ならもう動けないはずだけど?」


フレディは歯を食いしばった。勝たなくちゃいけない。世界のためにも、自分のためにも。そっと剣を構えた。


「準備満タンだね。じゃ行かせてもらうよ…!」


バァンッ!!


空気が破裂したような衝撃が走った。彼の剣とキャリーの羽が真正面から激突し、辺り一面に風が吹き荒れた。瓦礫が宙を舞い、視界が一瞬で白く弾ける。


「……っ!!」


次の瞬間、キャリーは羽を使い、彼の身体を横殴りに吹き飛ばした。


「がばっ…!げほっ……げほっ…」


ドガァン!!


壁が砕け、石片が雨のように降り注ぐ。だが止まらない。いや止まれない。血を吐きながら地面を蹴り、一気に距離を詰める。


「はぁぁぁ!!」


ゴォンッ!!


「はは…!いいねぇ!」


キャリーは笑いながら立ち上がり、羽を一斉に放つ。


シュバッ!!


無数の羽の刃が嵐のように襲いかかる。何とか剣で処理するも、かなりギリギリだ。


「くっ......!!」


金属音が連続して弾けた。剣で弾き、叩き落とし、それでも避けきれない数本が肩と脇腹

を裂く。


「ぐ…」


血が飛び散る。だが足は止まらない。


「まだ来るんだ?」


キャリーが楽しそうに目を細めた。


「普通ここで倒れるんだけどなぁ〜君ほんとしぶといね。」


フレディは息を荒くしながら踏み込んだ。剣を振り抜く。キャリーの羽へと向かって一気に距離を詰め、羽へと剣を振りかざす。何とか羽に剣があたり火花が散った。そして数枚の白い羽が宙を舞った。


「おっと~」


キャリーは後ろへ跳ぶ。


「やるじゃん。さっきより速いよ。」

「.....守るって決めたんだ。」


胸が焼けるように痛む。視界がにじむ。それでも剣は下げなかった。


「グレースも、ノアも、ソフィアも…アンフェニもアヴィニールも……!お前に好き放題させるわけにはいかないんだよ!!」


一歩、また一歩。


「ここで終わらせるって…決めたんだ!!」


とうに体は限界を迎えている。それでも今ここでキャリーを逃がしてしまえば、もうチャンスはない。

剣と羽が削り合い、火花を立てた。


「ぐ.…!」


内側から何かが切れるような感覚。口から血がこぼれる。それでも押す。押して、押して、押し切る。


バシュ!


剣で押し返せなかった。床に叩きつけられ、転がり、視界が暗くなる。


「…大口叩いてた割には、こんなもんー?」


キャリーがゆっくり近づく。


「内臓ズタズタ、骨も何本かいってるね~」


しゃがみ込み、覗き込む。


「それでも立つ理由ってなに?」

「信じてくれたみんなを裏切りたくない…俺のことを信じてついてきてくれたみんなを失望させたくない……!」


ふらつきながら何とか立ち上がる。


「理解できないよ。なんで他人のためにそこまでできるのか。血がつながっていようがなんだろうが、死ぬ時はどうせ1人じゃないか。それなのに、そこまでできる精神がわからないよ。」


キャリーの手に光が集束する。


「それじゃ、粉々になっても立てるか試そうか。君が仲間を信じてるなら戦い抜けるよね?」


その光は彼に向けて発射された。咄嗟に剣を構えるが、


ガキィン!!


音と共に衝撃が腕を砕くように走り、剣が弾き飛ばされる。心臓の鼓動が力強く響いていた。胸の奥が熱く燃える中、結んでいた髪がほどけ、ふわりとなびいた。


「……!!」


次の瞬間。


ドンッ!


腹に叩き込まれる一撃。


「がはっ…!!」


空気が肺から押し出され、血が噴き出す。身体が宙を舞い、床を転がった。


「ほらほら〜立てるんでしょ?」


追い打ちをかけるようにキャリーは魔法を使い攻撃を続けた。背中。脚。肩。


ドゴツ、バキツ、ズンッ!!


衝撃のたびに彼の視界が白く弾けた。


「ぐ......っ…!あぁ......!」


骨が軋む音が響きわたる。


「もう限界~?」


羽が胸を貫くように突き刺さる寸前で止まり、衝撃だけが体内を破壊する。


「ごほっ......!」

「まだ目は開いてるねえ。えらいえらい。ここまでの人間は見たことがないよ。」


キャリーが楽しそうに笑う。


「そうだ!いいこと考えた!僕が君を作り替えてあげるよ!君みたいに強い人間は好きだ。このまま死ぬのはもったいないと思うんだよね〜だから、僕が君のことを作り替えて魔族にしてあげる!」

「こと、わる…魔族なんかに…ならない…!」

「そっか〜残念だよ。もし承諾してくれてたら殺さずに済んだと思うけどな。」


腹を踏みつけられる。


ズンツ!!


「あ゛ぁぁぁ......!!」


内側が潰れる感覚。息ができない。指先が冷たくなっていく。


「これじゃ死ぬのも時間の問題だね。他の仲間も動けないみたいだし。君と戦うのは楽しかったよ。さようなら♪」

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