番外編:明人と飛鳥の結婚式(3)
「いやぁ…。飛鳥めっちゃ綺麗だったな…」
挙式終了後、披露宴が始まるまでの準備中に葵、玲子、恵那の三人は外のベンチへと座り、葵は感想を口にした。
「そうだね…。それに誓いのキスも…幻想的で素敵だったなぁ…。私達も…あんな挙式…挙げたいね」
「すれば良いじゃん!恵那ちゃんもきっと綺麗だよ!」
「でも…今はそんな時間なくて…私も…大和君も忙しい…から…。する…としても大和君が…オフシーズンの時かな…」
「話でもしたらどう?彼も乗ってくれるでしょう」
「そう…だね。帰ったら…お話…してみる」
「ええ。そうしたら良いわ。ほら、丁度来たわよ」
玲子が向けた視線の方向には大和とエリストが談笑しながら近付い来ていた。
「恵那!それと玲子さんに志村さん!」
「お久しぶりですね。相澤様に志村様」
「大和君…と…エリス…ではなくて永飛さん」
「あら?大和さん、まるで私達二人をオマケのように扱うのね」
「うわっ!酷ーいさいてー」
「えっ!違うって!そんなつもりはないって!」
「冗談よ」
「ね~~♪」
「あんた達…」
大和は恨めしげに二人を睨み、直ぐに諦めたように溜め息を吐き、いつもの好青年の顔へと戻る。
「本当に二人とも冗談キツいぜ。まぁ、それはもう良いとして…二人の結婚式、ヤバかったな。俺達もあんな結婚式してぇな…」
「…っ!!大和君っ!!それって…!!?」
大和の言葉に恵那は頰を赤らめ、感極まった表情をし、大和は照れながら恵那と顔を見合わせる。
「…まぁ、プロポーズは待っていてくれ。今日の主役は明人と飛鳥さんだからな。結婚式もゆっくりと決めよう」
「うん!うん!待ってるよっ!」
恵那は嬉しさのあまり涙を滲ませるが、二人の門出に涙は流せないと堪える。
「それじゃあ恵那、ブーケ引き当てないとね」
「うん…!でも…玲子もブーケを引き当てたいんじゃ…」
「気にしなくて良いわ。恵那から貰うからね」
「え…?それじゃあ…玲子の結婚式…遅くなるんじゃあ」
「良いのよ。会社経営が落ち着くのは早くても二、三年は掛かるもの。色んな事業に手を出し過ぎてしまったから。二人の結婚式を見て、私も早く結婚式を挙げれば良かったと後悔したわ」
「そう…なんだ…」
恵那は視線を地面へと落として沈黙する。
「あ、そろそろ始まるっぽいよ!行ってこい!恵那ちゃん!」
「行ってらっしゃい恵那」
「え…うん…!」
恵那は葵と玲子の言う通り向かおうとするが、少し悩んで玲子の手を引っ張る。
「玲子も…行こ!」
「えっ!ちょっ!」
珍しく強引な恵那に戸惑いながら玲子は恵那に引っ張られ、連れられた。
『それでは皆様リボンをお持ち下さい』
リボンも恵那から玲子は渡され、戸惑ったままブーケプルズが始まる。
『では、同時にリボンを引いて下さい!…せー…のっ!!』
バッとリボンは引かれ、唯一リボンがブーケに続いていたのは玲子の持つリボンだった。
『おめでとうございまーーす!』
「あ、え、え…え?」
玲子は珍しく動揺し、恵那をチラリと見ると彼女はフフッと玲子に笑いかける。
「これで…玲子も……結婚式、挙げられる…ね…」
「恵那…!!」
玲子は思わず恵那を抱き締め、急に抱き締められた恵那は顔を赤らめて狼狽した。




