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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第二章 私達のギルド
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私の昼食3

 私達はお互い無言でご飯を食べ続ける。なかなか会話が弾まない。弾むどころか会話すらない。

 気まずい……。両思いのカップルが二人きりでご飯食べてるようには思えない。まだ正式なカップルじゃないけど――直也はこんな気まずい空気で楽しいのかな?聞いてみる?いやいや、そんなこと聞けるわけないし。

 私は直也にばれないようにそっと視線を向ける――とっても笑顔だ。眩しいすぎる笑顔。え?そんなに!?嬉しいけどなんか複雑な気分だ。

 二人きりで食事するのってこんなに辛いものなの?デートじゃないから?学校だから?

「先輩」

「どうしたの?」

 急に直也がこっちを向きそう言ってくる。だから近いってば!

「俺二人っきりになったら先輩に言おうと思ってたことがあります」

 直也は真剣な顔つきでそう言った。かっこいいなー。前からってなんだろ?二人きりじゃないと言いずらいこと…………まさか告白!?

 いやいやいやいやいや――だってちょっと前に告白したばっかりだよ?

 いや、でも待って。直也って空気全然読まないし……どどどどど、どうしよう。まだ心の準備が――。そう考えると顔が真っ赤になる。だめだもう考えられない。覚悟を決めろ私!

「――先輩はその髪型のほうが似合ってますよ!」

「私もす……ほへ?」

 つい気の抜けた声が出てしまう。なんだ告白じゃないのか…………。

「いやーずっと言おうと思ってたんですけど、タイミングがなくて……」

 直也がタイミングなんて気にするのに驚きだ……。あのタイミングで告白してきといて今更すぎるでしょ。私は思わず笑ってしまう。

 それに直也は今の私を可愛いと言ってくれた。よっしゃー。私は心の中でガッツポーズを取る。やっぱり直也はこっちの素の私の方が好きなんだ。なんか嬉しいな。

「ふふふ、まあ当然でしょ。なんたって私なんだから」

 私は平然を装い答える。でも、もし今直也に二回目の告白をされていたら私はどうやって答えていたのだろうか?私も好きですって言って押し倒してたり?さすがにそれはないか。

 いつも褒めてくれるけど好きとは言ってくれないもんな。私が告白断ったのが悪いんだけど……。もっと普段から私のこと好きって言ってくれないかな……。

 そうしたら私も積極的になれる……はず。

「先輩、ほっぺにご飯粒がついてますよ――あははは、先輩もそんなことするんですね」

 そう言いながら微笑みながら直也は私の顔に手を伸ばす。私のほっぺにご飯粒が付いてたらしい。なんかこうやってとって貰うとバカップルになったみたいだ。

「――――っ!」

「うわぁっ」

 直也が私のほっぺについているご飯粒に触れた瞬間の出来事だった――意識してやったわけじゃない。私にそんな勇気はない。本当にただの事故だ。


 私は何を思ったのか、直也がご飯粒を取ろうと差し出してきた指をペロっと舐めてしまった。

「きゃっ」

 そのせいで私達は思いっ切り態勢を崩してしまう。

 他人から見れば私が直也を押し倒してるように見えるこの状態。直也の顔が近い。ラッキースケベなんて現実にあるもんなんだ。ってそんなこと呑気に考えてる場合じゃない!この距離はほんとにまずい!あとほんの少し顔を前に出せばキスできてしまいそうだ。

「ごごごごご、ごめんないさい。わざとじゃないの、本当にごめんなさい」

 私は慌てて顔を離しながら謝る。ありえない。なにいきなり人の指舐めてんのよ!直也に変態って思われる。やばいよ、どうしよ……。

「お、俺の方こそいきなりすみませんでした」

 直也は顔を真っ赤にしながらそう言った。あの直也がめちゃくちゃ緊張している?新鮮だ。直也が緊張するのって珍しい。さすがにこれだけ至近距離だと照れちゃうのかな?

「せ、先輩、早くどいてください――その、胸が当たって……」

 私の疑問はすぐに解決した。そうか。この態勢だとちょうど私の慎ましい胸が直也に触れてしまってる。そのせいで直也は照れているのだろう。耳まで真っ赤にして可愛いな。うふふ。

 今の状況は他人に見られたらまずい。それは分かっている。早くどかないといけない。頭では分かっているつもりだ。

 でも――私はさらに体重をかけて直也に思いっきり胸を押し付ける。

「ごめんなさい、さっきので腰が抜けて」

 私は嘘をつく。もっと直也と触れ合っていたい。だってこうやってやってるだけでとっても幸せだ。まるでさっきの緊張しきっていた私とは別人みたいに積極的だ。悪い意味で……。

「だ、大丈夫ですか?だったら俺が――」

 私がそう言うと直也は顔を赤面させながらも私のことを心配してくれる。ほんと優しい。

 直也は自分の力で私をそっとどけようとする。が、私は全力で力を込めてるので全く動かない。こんなことやってたら直也に体重重いって思われるかも。いや、今は考えないようにしよう。この時間を大切にしよ――。

 ガラッとタイミング悪くドアが開く。自分でも思う。なんで私ってこんなに運がないんだろう。悪い意味で積極的になっている時に邪魔が入る。アニメなどでよくある典型的なパターンだ。

「入るぞー」

「あれ?誰もいませんね……時葉君と生徒会長さんはいないんでしょうか?」

 神山君と雛井さんの声が聞こえてくる。この二人だけ?良かったあのバカ二人が居なくて。

 そして、この位置はちょうど入口からは見えない。これならまだいける!

「つかんんっ――」

 私は咄嗟に直也の口を手で塞でしまう。何やってんのよ私は!!!この場合かかっこよくキスで口を塞げば……って、違うでしょ!!冷静になって考えて!

 だって直也が神山君を呼ぼうとしたから悪いのよ。まるで悪いことをしていた気分だ。悪いことというよりはもう変態に近いんじゃないの?指を舐めたり、胸を押し付けたり――今考えるのは辞めよう。虚しくなるだけだ。

 直也は私のよくわからない行動に唖然としている。どうしようこの状況。もういろいろと取り返しが付かない。

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