魔法学校の生徒7
はああああああ!!こいつこのタイミングで告白かよ!!
そして、この一言で一瞬で静まるギルド室。教室内の空気が一気に重くなる。さすがの生徒会長も呆気にとられている。
「は、はあ!?何言ってるの?バカじゃないの?」
「バ、バカかもしれないけどそれでも俺は先輩が好きです!」
それでも負けじと直也は告白を続ける。シュールすぎる。真剣さは伝わってくるのに……。
「あーはっはっはっ!!やばい!!笑いが止まらない!!」
自分の弟の告白にも関わらず美穂は大爆笑している。雛井は顔を真っ赤にして目を手で隠してあわあわしている。そして神奈月は何事もなかったかのようにいつも通りの無表情だ。
「ねぇ、さよ。神奈月君が真剣に告白してるんだよ。しっかり答えてあげて」
確かに真剣かもしれないが告白するにもタイミングってものがあるだろ……。
「は?これが真剣?無理に決まってるでしょこんなやつ。空気も読めないようなこんな子供なんて十年かかっても私が好きになるなんてことありえないわ!」
「がーん。う、嘘だろ――」
直也は振られたのがショックだったのかおもむろに肩を落としてしまう。俺自身、恋愛など皆無なのでよくわからない。でも、いくら好きだからってこのタイミングで告白するのはありえないだろ。こっちの世界ではそれが普通なのか?
「あんたバカ?なんで私が今日初めてあったやつこと好きにならないといけないわけ?マジで気持ち悪いんだけど。ほんと男ってバカがっかりだわ」
ですよねー。
「――それにあんた私のこと命をかけて守れるの?私のために死ねる?無理でしょ?所詮口だけなんでしょ?」
「そ、それは……」
直也はいきなりそんな質問をされて黙り込んでしまう。
「さよ、落ち着いて――」
「優香は黙ってて!ほら、口ごもった。そんな覚悟もないやつが告白なんかするんじゃないわよ!」
「そんなことないです!俺、先輩の為なら命だって――」
直也は力強く言った。こいつって案外こんな一面もあるんだな。
でも、生徒会長はそんな直也の言葉に思いがけない言葉を口にした。
「命をかけるなんて簡単に言わないで!!!!私は自分の命を人の為に捨てれるって言うやつが一番嫌いなの!!!!じゃあ私の為に死ねるって言うなら今から私の為に死んで見せてよ!!!!そこまで言うんだったら私があんたを殺してあげようか?」
生徒会長が急に豹変する。
さっきまでも口は悪かったが今度は本気で怒ってるように感じる。
「さよ!」
普段あまり大きな声をあげることのない神奈月が生徒会長の名前を力強く呼んだ。
「――――あっ……ごめんなさい……。少し取り乱しました……」
神奈月の言葉で我に返ったのか生徒会長は最初の口調に戻る。
「髪型変化」
――再び呪文?を唱えると髪型が最初に入ってきた髪型に戻る。
「神奈月さん、私は絶対にこんな部活はいらないからね……それに時葉直也君でしたっけ?」
「は、はい」
「あとで後悔してもしらないから……覚えておきなさい」
そう言い残して生徒会長は静かにドアを開け出て行った。
「なんだったの今の!いきなり来て文句ばっかり言っていきなりマジギレして帰ってくってありえないでしょ!直也はあんなののどこがいいの?私には理解できないわ」
「だから説明したじゃん」
「小学生を助けた話しでしょ?何回も聞いたわよ。私はそれでも理解できないっていってるの。それに今振られたばっかじゃん。それでもあの生徒会長好きなの?」
「あ、当たり前だろ!姉ちゃんがいつも一回好きになったらとことん好きになれっていってるじゃん」
「くっ、た、確かに言ってるけど――」
「そのごめんなさい、さよが迷惑をかけて……」
神奈月が頭を下げて申し訳なさそうに謝る。
「神奈月が謝ることじゃないだろ?」
「そうね、全部あの生徒会長のせいよ。あんなのが生徒会長とかこの学校ももう終わりね」
「違う。全部私のせい……私がさよをこのギルドに入れようとしたから。私はギルドに入るなら絶対にさよと一緒が良かったの……ごめんなさい……」
いつも無表情な神奈月だが今はどことなく少し寂しそうな表情をしてるように見える。
「き、気にしないでください。私のせいだと思います……。私がこのギルドにいたから…………」
確かに学校中で悪い意味で有名な雛井がいるギルドには相当な理由がない限り自分から入りたい奴はいないだろう。でも、さっきは助けてくれてたしな。一体どうなってるんだろう。本当は雛井のこと嫌いだったのか?うーん、生徒会長って立場を考えると無名のギルドに入ってるなんて示しが付かないとか?だめだ。考えてもよくわからん。
「それはないと思う。さよは雛井さんのこと気にってる。多分原因は――」
そう言うと直也を見る。
「え?俺?」
「多分……。時葉君のあの命をかけるって言葉はだめだった。やっぱり最初に話しておかないといけなかった。まさかこんなことになるなんて思わなかった」
そこまで話し神奈月は黙り込んでしまう。
「なあ、無理に話さなくてもいいぞ」
だが、神奈月は少し迷っていたようだが意を決したのか話を続けた。




