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モブの作戦は思う通りにいかない テレス視点

本当に少しずつですがブックマーク件数が増えてとても嬉しいです。

読んでくださってありがとうございます!

今回もテレス視点のお話です。

お楽しみください☆

しかしすぐにおかしいことに気づいた。

いくら待っても、ラルクと婚約はしないし、ウィルウッド公爵家との接点は無くなってリザローズと仲良くもなれなかった。

それにリザちゃんの悪評も立たない。

幼少期ラルクが引き取られてから、すぐにリザローズの悪評が密やかに立ち始める設定のはずだ。

あまりにシナリオと違うのでお茶会でリザちゃんの評判をみんなに聞き回ってしまった。

「リザローズ様は性格悪いんでしょう?」とか

「私たちの事、なんとも思ってないんでしょう?」とか「なんでも出来るから、私たちの事をばかにしておいでなんでしょう?」とか。

それでもお茶会に出ている令嬢たちは、リザローズを誉めてばかりだ。

そのうち伝を使いリザローズが参加するお茶会になんとか招待されるようになり、リザローズを自分の目で観察するようになっても、その評判通りの素晴らしい人柄しか見えてこない。

確かファンブックにはラルクが養子になったことで、性格が少しずつひねくるていくと載ってたはずなのにおかしいと首を傾げた。

でも評判がいいということは、バッドエンドの未来から遠ざかっているようで安心もした。


それにしてもラルクとリザローズの関係も良さそうなのも引っ掛かった。

二人の間には不穏な空気どころか、逆にリザローズはいつもラルクを誉めているのだ。あんなヤンデレ!誉めるとこあるの?と疑ってしまう。

でももしかしたら、リザローズのお天使な魅力でラルクもヤンデレ化しないですんだのかもしれない。

しかしゲームとは違う展開に、頭はついていかなかった。


月日は流れて、ラルクとリザローズが、社交会にデビューすると瞬く間に二人の婚約したという話が広まり、パーティーではとてもお似合いだったとみんなが誉め称えていた。


ゲームではあり得ない展開に、驚きを隠せない。

リザローズと婚約するのは王子だよね?とはてなが頭に浮かぶ。


秋の王宮パーティーでは、やっとテレスも社交界デビューが出来る。それまではせいぜいリザちゃんとこのお茶会に出る以外にゲームのキャラに会う機会もない。

それにミリアと王子の出会いイベントが起こるはず。

もし他の攻略対象者を確認することができれば、この世界はゲームの世界に違いないと確信が持てるけど…。

実際こうもゲームとこの世界の出来事が違うと、シナリオ通り過ぎていくわけでは無さそうな気もしてきて戸惑ってしまった。


しかし秋の王宮パーティーで起きるはずのミリアと王子の出会いイベントをうっかりテレスである自分が奪ってしまい、入学式の時にフィルが声をかけてきたのもテレスだった。


やっぱりこの世界はゲームに近いけど、違う世界なんだと確信した。

なら、自分がヒロインになってしまえばいいのでは?

次第に膨らんでいく野望。

別に王子が好きな訳じゃないけど、将来国を治める人間の隣に立つことはこのチートを持っている自分に課せられた使命なのかも…とか考え始めた。


ほら、流行ったじゃん。前世の記憶を使って国を発展させる系の小説…あれかな?って思っちゃったんだよねー。

学園でも女性で一番の成績を修めたし、生徒会のメンバーにも選ばれたし。

そう、なんか選ばし神子的な?そういうのかなぁって…

ちょっと、中二病とか言わないで!!


でも実際生徒会の仕事をすると、他のメンバーの能力の高さに驚くことになった。

とくに侮っていたミリアが意外にも仕事が出来ること。あとビッチ的な印象だったけど、本当に純粋な子供のような人だったこと。

自分の考えがどんどんぶれていくのを感じた。

ハロルドもマーロンもエリックも婚約者との関係は良好で、付け入る隙がないのも関係しているのかもしれないけれど、ミリアと王子はどんどん引かれあっているように見えたし、お似合いに見えた。

でも、王子を導いて、チートの力で素晴らしい国を創る…そういう展開のはずだ。

そうでなきゃ、この世界に自分が転生してきた意味がない。

そうでなきゃ、この世界がゲーム通り進んでいないことの説明ができないじゃないか!

そう、思い込んでしまった。


どうしたら元の展開に戻せるのか?

考えた結果

ミリアとリザちゃんのいじめイベントを捏造して、王子の愛を勝ち取る!

作戦を立てたのだった。


しかしこれも失敗した。途中まではうまく行ったように感じたけど、王子に相談しても親身になってもらえず疑われた。

ダンスパーティーで倒れたテレスではなくて、ミリアを王子は助けた。

王子の心はミリアにあるようだった。


私はヒロインじゃない!!

衝撃だった。


おかしい!おかしい!おかしい!

なんにも使命がないのに転生したのか?

ただゲームとは違う世界に、取り残されるために?

記憶があることのチートは?


もう、自分の価値が分からなくなって、学園に戻るのが嫌になって…

領地に戻ってのんびりと毎日を過ごした。

仲のよかったホーウェンも、心配してたまに遊びに来てくれるし、退屈はしなかった。


そしたらリザローズから手紙が来るようになって、そのうち文通になって…。

押しのリザローズが、気にしてくれていた。リザローズは本当はテレスが好きなのか?とか、つい舞い上がって考えて。

もしかしたら、百合の世界だったのかも…と勘違いしたりした。

それなら自分が女の子になったのも合点がいくと思った。


パーティーで喜んでリザローズに話しかけたのに、

ラルクが転生者だったなんて…。

しかも前世からのリザローズ押し…。

本当に羨ましい。羨ましすぎる。

世界がゲームと違うように進んだのもラルクのせいとか、悩んだ時間返せー。と声を大にして言いたい。いや今言ってやったわ!

しかも前世と同一の性別で転生って、本当に羨ましい。


自分なんて、前世は男子高校生でしたから。

女の子だわ、モブだわ、最初、めっちゃ戸惑ったもんね!


そこまで話したらラルクが驚いてソファからずり落ちたのだった。

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