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File257 惑星キストリーデへの貨物輸送①  思い出が行動につながる時がある

「あんた達は、さっきの被害届は出すかね?」

 と、老齢の刑事さんに聞かれたが、めんどくさいので出さないと伝えた。

 しかし、

「出しておいた方がいいぞ。ああいった手合いは届け出を出しておかないと、後であいつも共犯者という言いがかりをつけられてえらい目に合うぞ。実際になあなあに済ませようとして、後の裁判で犯人がそういう供述をし始めてえらい事になったからな」

 という刑事さんのアドバイスを聞き、被害届を出しておくことにした。

 

 

 翌朝。

 俺は刑事さんの言うとおりにしておいて良かったと安堵した。

 ホテル内の喫茶店で朝食を食べながら新聞を見てみると、あの女達の記事がデカデカと載っていたからだ。

 どうやら、あの女達とこのホテルのオーナーの娘が勤めていた会社で横領をしたのはあの3人で、オーナーの娘の横領は濡れ衣だったらしい。

 ことの発端としては、最初に横領をしていたのは三人組の女の1人、エリー・ハドソンで、彼女の金回りの良さを見て横領しているのを知り、乗っかって隠蔽工作に協力したのがソーリア・ブルコートとチッチェリーナ・ハイランドだった。

 かなりの額を横領していたらしく、そろそろバレるかもと危惧していたところ、男性社員に人気のあったノイラリア・シュワイデンに横領の罪を着せ、黙っててやる変わりに金を寄越せという脅迫を行なった。

 そのうち、ノイラリア・シュワイデンの実家がカプセルホテルを経営しているとわかると、風呂場を盗撮して配信し、その売り上げを自分達に寄越せと指示、さらにはホテルの従業員に『オーナーから業務を託されたものだ』と、嘘をつき、ホテルの売上を盗もうともしたらしい。

 彼女達三人組はこういった恐喝まがいのことを、なんと高校生の頃から何度も行っていたらしい。

 さらには、自分達の被害者のことを加害者だと罵り、犯罪の責任を押し付けようともしているらしい。

 よく今まで捕まらなかったものだ。

 そうして、朝食を食べ終わると、船を受け取りに行くためにチェックアウトをして、ホテルを後にした。

 ちなみにギャルっぽい娘たちは、有名なお店の朝食メニューを食べにいくとかで、かなり早くチェックアウトしたらしい。

 

 

 船をスリーカース社の工場に持って行った時は、当然だが船に乗っていった。

 船を預けたあと、工場から繁華街まではスリーカース社の社用車で送ってもらった。

 しかし、船を受け取るために繁華街から工場に行くには、バスはないのでタクシーかレンタルカーで行くしかない。

 レンタルカーは返すのがめんどくさいのでタクシーで行くことにした。

 しかしこのタクシーで、かなり恐ろしい目にあってしまった。

 俺達がたまたま工場のある地帯に向った時間が、工場に物資を運んだり、工場から品物を運び出したりするエア・トラックが群れをなし、かなりのスピードで行き来をしているため、トラックが横を走るたびに、俺達の乗っているタクシーは、そのとんでもない風圧で物凄く揺れるのだ。

 遊園地のアトラクションと違い、安全設計がされているわけではないから、相当に怖い。

 それでも、タクシーの運転手が安全運転をしてくれているならまだ安心できるが、俺達が乗ったタクシーの運転手はかなりのスピード狂だったらしく、カーレースみたいにトラックを追い抜いていく。

 よく捕まらないなと思っていると、

「この辺は道が真っ直ぐなうえに、トラックばっかりだから、警察もネズミ捕りがやりにくいんだよ!」

 と、運転手がその理由を教えてくれた。

 

 そんな恐怖のタクシーに揺られて数十分。

 何とか無事にスリーカース社の工場にたどり着いた。

 工場長のサルビロ・ソイグさんは、急な会議が入ったらしく、本社ビルの方に行っているらしい。

 俺がきたらよろしくと言っていたらしい。

 

 そうして2日ぶりの我が家が帰ってくるが、家具がまだ戻ってない。

 なので宇宙港(ポート)にあるレンタルコンテナショップの『ディメンションポケット』に向かって家具を受け取って船内に設置すると、ようやく我が家に帰ってきたという実感がわいた。

 燃料は満タンにしてくれていたので、仕事を受けたらそのまま出発することにした。

 組合(ギルド)の受付では、重化学工業・造船・精密機械といった生産がメインで超重量かつ巨大なものの運搬の依頼が多く、受けれる条件の依頼が惑星キストリーデ行きのものしかなく、しかも積荷は老舗製薬会社のソンブレロ社の『医薬品』と『医療品』だ。

 俺はどうしてもこの会社をあやしいと思ってしまう。

 そして船を受け取ってから5時間後の午後3時に、俺達は惑星ミンツトレニスを後にした。

 

 

 惑星ミンツトレニスから惑星キストリーデまでは約400光年。

 距離が十分の一になる超空間跳躍航法(ハイパースペースジャンプ)を使えば40光年。

 時速1光年なら40時間。到着は明後日の朝7時になる。

 俺にとってミンツトレニスからキストリーデの航路は、ちょっとだけ思い出がある。

 ミンツトレニスからキストリーデにアンドロイドを輸送する依頼を受け、アンドロイドのカミリアと会い、その時じいちゃんが亡くなってからは初めて客以外と食事をしたし、他人の作った食事を食べた。

 この事が起点となって、アディルと出会った時に

引き取ろうと考えたのだと思っている。

 いまはカミリアは名前を変えて惑星キストリーデて働いているはずだ。

 そんな事を思い出しながら、なんとなくアディルの頭をなでていた。

 

 そんな事がありはしたが、事故もトラブルもなんにもなく、無事に惑星キストリーデに到着した。

ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします


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ソンブレロ社のロゴマークが赤い傘のマークとかではないかと不安になりますな 医療品という代物から考えて 運んだ品物でバイオハザードとかなにか道の病原菌で他の星で病気を伝染させてから医療品を売りつけるマッ…
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