表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/90

86


椿が帰り俺は部屋に戻りベッドに寝転ぶ。椿今頃まだ帰ってる途中だな。


そう思い何気にスマホを取り出すとメッセージが来ていた。案の定椿だ。


『明日も明後日も学校終わったら春人の家に行くね』


本当によくこんな俺に愛想尽かさないな、俺がバカみたいだ……



あいつ先輩にもう来てくれなくていいですって言ってたよな?


だったらあいつそれまで1人きりか?いやいや、何考えてんだ?先輩と一緒にいたから俺は怒ったわけで今度は1人きりで大丈夫か?なんて都合良すぎるし矛盾してるだろ……


俺はつくづく自分勝手だな。

風呂に入りそしてその日はすぐに眠った。


朝起きるとまた椿からメッセージが入っていた。例によって返信はしないでおいた。


だけどそれからも学校で何があったとか細かくメッセージを入れてくる。俺が心配しないようにしているのだろうか?


椿ってこんな奴だったんだな。

最初の頃とは全然違う。最初は最初で良かったが今の椿も……

ってそれはもういいか。


俺は最初とは悪い意味で変わったな。こんなに拗ねて椿に心配して欲しいのか?

構って欲しいのか?……


昼になり椿が用意していたサンドイッチを冷蔵庫から取り出し食べる。

美味しい。本当にこんなに料理うまくなりやがって。


16時になる頃椿が俺の家に来た。


「今日は早いんだな」


「早く春人に会いたくて図書委員サボっちゃった」


少しバツが悪そうな顔をして椿は微笑む。少しホッとしている自分がいた。

走ってきたのか少し椿は汗ばんでいた。


「どうせ断っても帰らないんだろ? 入れば?」


「うん!」


椿がリビングに行き何か言いたげだ。


「は、春人、くっついてもいい?」


「は?」


「少し、少しだけ」


俺はこんな態度なのに椿にくっついていいのかと思い少し後退りした。


「あっ……嫌だった?」


「あ、私汗かいてるもんね……くっつくの嫌だよね…」


そうじゃないんだよ……俺が今度は椿に対して素直になれないだけなんだ。

走ってきたのか暑いのかわからないけど飲み物くらい出すか。


俺は冷蔵庫に向かい麦茶を椿に渡した。


「私に? 」


「他に誰がいるんだよ?」


「ありがとう」


ぶっきらぼうに言ったつもりだが俺のそんな行動に驚いたのか椿はとても嬉しそうな顔で微笑んだ。


俺が部屋に行くと椿も後ろから俺の様子を見ながらついてきた。


「春人、怪我まだ痛む?」


「まぁそれなりに……」


「早く春人が学校に戻ってきてくれたらいいなぁ」


「てか学校で俺ボコられてたの話題になってない?」


「皆春人の事心配してたよ?」


「そっか」


部屋の窓から外を眺める。俺がこんな状態だと椿も話がし辛いだろ。俺が黙っていると椿は俺の事をずっと見ている。部屋にはそうして無言の静かな時間がしばらく続いた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ