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「は、春人…」
椿は俺の大きな声にビクッとしていた。だけど椿は意を決したように言った。
「春人、私も帰る」
「ついてくるなって言ってんだろ」
「いい、帰る!」
「はぁ?このまま帰る気かよ?」
「舞たちに先生に言ってもらえるように伝えとくから…それに一緒の帰り道でしょ?」
「勝手にしろよ」
そこまで考えてるなら面倒な押し問答されるよりもいいかと思った。そして俺は振り返らずに帰り出す。
椿が小走りで追いつき服の裾を掴んだ。
「なんだよ?離せよ」
「嫌……」
「離せって言ってんだろ!」
「嫌だ!!」
俺はイライラして椿の手を乱暴に振りほどいた。
「いってぇ…」
その瞬間殴られた脇腹に痛みが走った。
あいつら思いっきり殴りやがって……
「春人大丈夫?やっぱり痛む?」
椿は心配そうな顔をして俺を覗き込む。
だけどそんな椿の優しさは返って俺をイライラさせた。
「私の家に寄って?手当てするよ!」
「いい」
「お願い…」
なんでこいつはここまで冷たく当たられてそんな事が言えるんだ?本当にバカだなぁ…
「お前の先輩ならこんな事なかったのにな……って考えるだけでアホらしい」
「先輩は関係ないよ!私が好きなのは春人だよ!?」
「いいから黙っててくれよ、もう余計な事考えたくないんだ」
そして俺たちは無言で歩き椿の家の前まで来た。
「帰れよ」
「嫌、春人も来て」
「じゃあな」
そう言った途端物凄い力で椿に腕を引っ張られ家の中に入れられた。そして勢い余って玄関に椿と一緒に倒れてしまった。
「いてぇ……」
俺の上に覆い被さった椿が顔を上げる。
椿は顔を歪ませ泣いていた。
椿の涙が俺の顔に落ちる。
「なんで……」
「は?」
「うぅ…ふぇっ…そ、そんなに冷たくしないでよぉ、凄く悲しいよ春人ぉ」
俺は椿から目を逸らし立ち上がった。
「傷手当てしたら俺帰るから…」
「うん…グスン……」
そして俺は服を脱ぎ殴られた跡を見せる。椿はかなり驚いた顔をしていたがすぐ悲しそうな顔になり手当てしていく。
大体終わったので帰ろうとすると…
「春人…私の事が嫌い?もう好きじゃない?」
「……………」
「だったら…だったらまた好きになってもらえるように頑張るから…だから…これ以上そんな顔してる春人私……耐えられないよぉ!」
「そうか……」
俺はそれ以上何も言わず玄関のドアを閉めた。
何やってんだ俺は………




