表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/90

84


「は、春人…」


椿は俺の大きな声にビクッとしていた。だけど椿は意を決したように言った。


「春人、私も帰る」


「ついてくるなって言ってんだろ」


「いい、帰る!」


「はぁ?このまま帰る気かよ?」


「舞たちに先生に言ってもらえるように伝えとくから…それに一緒の帰り道でしょ?」


「勝手にしろよ」


そこまで考えてるなら面倒な押し問答されるよりもいいかと思った。そして俺は振り返らずに帰り出す。


椿が小走りで追いつき服の裾を掴んだ。


「なんだよ?離せよ」


「嫌……」


「離せって言ってんだろ!」


「嫌だ!!」


俺はイライラして椿の手を乱暴に振りほどいた。


「いってぇ…」


その瞬間殴られた脇腹に痛みが走った。

あいつら思いっきり殴りやがって……


「春人大丈夫?やっぱり痛む?」


椿は心配そうな顔をして俺を覗き込む。

だけどそんな椿の優しさは返って俺をイライラさせた。


「私の家に寄って?手当てするよ!」


「いい」


「お願い…」


なんでこいつはここまで冷たく当たられてそんな事が言えるんだ?本当にバカだなぁ…


「お前の先輩ならこんな事なかったのにな……って考えるだけでアホらしい」


「先輩は関係ないよ!私が好きなのは春人だよ!?」


「いいから黙っててくれよ、もう余計な事考えたくないんだ」


そして俺たちは無言で歩き椿の家の前まで来た。


「帰れよ」


「嫌、春人も来て」


「じゃあな」


そう言った途端物凄い力で椿に腕を引っ張られ家の中に入れられた。そして勢い余って玄関に椿と一緒に倒れてしまった。


「いてぇ……」


俺の上に覆い被さった椿が顔を上げる。

椿は顔を歪ませ泣いていた。

椿の涙が俺の顔に落ちる。


「なんで……」


「は?」


「うぅ…ふぇっ…そ、そんなに冷たくしないでよぉ、凄く悲しいよ春人ぉ」


俺は椿から目を逸らし立ち上がった。


「傷手当てしたら俺帰るから…」


「うん…グスン……」


そして俺は服を脱ぎ殴られた跡を見せる。椿はかなり驚いた顔をしていたがすぐ悲しそうな顔になり手当てしていく。


大体終わったので帰ろうとすると…


「春人…私の事が嫌い?もう好きじゃない?」


「……………」


「だったら…だったらまた好きになってもらえるように頑張るから…だから…これ以上そんな顔してる春人私……耐えられないよぉ!」


「そうか……」


俺はそれ以上何も言わず玄関のドアを閉めた。


何やってんだ俺は………


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ