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謎な先輩に付き添ってもらって3日目。
顔は怖いけど中身は怖くないとわかってきた。
「先輩はこうやって付き添ってくれますけど部活とか何か用事はないんですか?」
「部活はやってない。それに用事もないからここに来てるんだろ?」
「はぁ。でも来てもらっても特に居るだけみたいなものなので暇じゃないですか?」
「暇でも来てないな。強いて言えば椿ちゃんがまたあいつらに絡まれないようにかな」
「あはは、そうそうないですよ?」
うーん、なんかいつも春人とばっかり来てるから少し違和感がある…
「そういえば彼氏の風邪どうなんだ?」
「だんだん熱は下がってきましたね。早く元気になってくれるといいけど………
きゃっ!」
ハシゴに登って本を戻した拍子に余所見しながら話してたので転びそうになって本を掴むが本ごと倒れてしまう。
「おい!」
「ふぁっ!?」
ドタドタっと私の上から本が落ちた。
あれ?痛くない…
それに落ちてない?
よく見たら先輩が私の体を左手で支えて右上で落ちてきた本から守ってくれた。
「あ、ありがとうございます…」
「危なかったな。怪我ないか?気をつけろよ」
「…うう、すみません」
あれ?先輩血が出てる…
私を支えた方の手だ、あ!ハシゴに当たって手の甲を怪我したんだ。
「せ、先輩…血が……」
「ん?ああ、大丈夫だろ」
「いや、ダメですよ!ちょっと待ってください」
私はカバンから絆創膏を探した、確かあったはず…あった!
「手を出してください」
「いや、大丈夫だって」
「出してください!」
そう言うと「ん」と言ってようやく出してくれた。
「すみません、私のせいで」
「まぁ椿ちゃんに怪我なくて良かったよ。彼氏も悲しむだろ?」
やっぱり先輩は優しい人だ。春人にまで気を配ってくれて……
でもどうして彼氏がいる私にそこまでしてくれるんだろう?
「あの…ありがとうございます」
「いいよ。もう終わりだろ?そこまで送るよ」
「悪いですよ。怪我までさせて…」
「俺さ、椿ちゃんのこと好きなんだ」
「え?」
「好きだ」
「だって私…春人がいるんですよ?」
「それでもいい。だけど好きなんだ」
私は混乱してしまった。だってそんなこと言われても…
「彼氏がいないのをいいことに勝手なこと言ってるってのはわかってる。だけど椿ちゃんを好きになったんだ」
「あの…先輩にはとても優しくしてもらって本当に感謝してます。でも私は春人のことが好きなんです」
「それでもいい。俺だってわかってる」
私はなんだか急にこの場から逃げ出したくなった。この人の告白は私がいつもされていたものと違う。春人と真剣に自分とどっちかを選んでくれと言われているような気がした。
「ご、ごめんなさい!私春人が好きなんです」
私は走って春人の元に行った。なんだか後ろめたいような言いようのない罪悪感が残った。先輩は優しくて私を守ってくれた、だけど私はそんな先輩の好意を受けることが出来ない。
だってそれでも…それでも春人のことが好きなんだもん!




