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椿と奏1



「う、うぅ…ふえっ…」


私は夜1人で公園のベンチで泣いていた。


「バカだ…私ってほんとバカ…」


事の発端は…





今日は休みだし春人も従兄弟の家に行ったし家の掃除でもやっちゃって奏さんをビックリさせちゃおうかななんて思っていた。


「おはようございます」と早朝からまだ誰も起きてないだろうと思い私は気合を入れて意気込んでいた。


「あ、椿ちゃんおはよう!今日は早いね?」


「あれ?奏お姉ちゃんなんでこんな早くに?」


「ん?ああ、今日はお掃除しようかなって思って」

なんだ、奏さんもそう思ってたのかぁ。でも奏さんに先越されちゃった…


「ところで椿ちゃんはどうして?」


「奏お姉ちゃんと同じです…」


「そうだったんだ、椿ちゃんさすが!」


何がさすがなんだろう?と思ったが奏さんなので気にしないことにした。そして私も手伝うって言ったら一緒にやろうって言ってくれた。


奏さんの両親も起きてきて偉いねって褒めてもらえた。エヘッ。


掃除を始めてしばらく経ち10時過ぎ。奏さんの両親も2人でどこかへ出かけて行き私たちもリビングとキッチンをやったら終わりというところ。


そして私はやってしまった…



窓に置いてあったちょっと大きめな花瓶をテーブルに移した時…


ボキッ!と音がしてなんだろうと思いどかしてみると奏さんが優さんにプレゼントされたネックレスだった……うさぎの耳が折れてしまっていた。


ヤバい、どうしよう。奏さんがどれだけ優さんの事を好きか知っている、優さんから貰ったものも大切にしているって知っている。


私は正直に言おうと奏さんのネックレスを持って奏さんの所へ行った。


「ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい!」


「つ、椿ちゃんどうしたの!?何かあったの?」


「あ、あの、これ……私壊しちゃいました、気付かなくて…ごめんなさい」


「あ……」


奏さんは私からネックレスを取るとポロポロと涙を流していた。


「ごめんなさい!ごめんなさい!」

私も泣いていた。


「……ぅうッ…」


奏さんは何も言わずそのままペタンとネックレスを持って座り込んでしまった。

やっぱり大切なものなんだ…


私一体どうすればいいの?


「私、弁償しますから!だから…」


「弁償してもらったって…優のじゃない……」


私はそれを聞いて自分はとんでもないことをしてしまったんだと思いどうしていいか分からずその場から消えるしかなかった。


そしてしばらく思い悩んで優さんに相談するしかないと思い優さんの家に駆け出した。


優さんの家に着きインターホンを押す。お願い!早く出てきて優さん!


そして優さんは眠そうな顔をしながらようやく出てきた。


「あれ?奏じゃなくて椿ちゃん?どうして?」


私は優さんにしがみつき泣きながら必死で説明した。


「椿ちゃん落ち着けって!わかったから!って…」

優さんの言葉がピタリと止んだ。

すると…



「椿ちゃん…」

聞き覚えのある声がしてふと後ろを振り向いた。


奏さんだった。


「優に何してるの?」

ヤバい、なんか変な誤解を……


「信じてたのに…椿ちゃんはそんなことしないって…」


「おい!奏冷静になれって!」

奏さんの手にはしっかりと壊れたネックレスが握られていた。

奏さんは手を振り上げ私に平手打ちをしようとしたが優さんに止められた。


「もう見たくない!椿ちゃんの顔なんて見たくない!!」


私はそれを聞いて優さんの家から走り去っていた。






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