28
俺は椿と付き合い始めた。次の日の登校する時椿の家を通ると椿は外に出て俺を待っていた。
そして俺を見つけると明らかに明るい顔になりこちらにトテトテと小走りで来た。
「あれ?今日は白石さんと一緒じゃないの?」
「なによ!春人の事待ってたんじゃない。悪い?」
「椿ってさ…」
「な、なに?」
「なんか可愛いな」
「は、はぁ?」
「いや、俺を待っててくれてありがとう」
「最初からそう言いなさいよ!」
そして2人並んで歩く。
前はムスーッとしてたりだんまりしていた椿だけど。
チラッと見ると満面の笑みだ。
こんな一面あるんだな。
「春人!」
「なんだ?」
「あ、えーと、やっぱなんでもない」
「なんでそこでなんでもないになるんだよ?」
「やっぱりまだ言わない!」
「気になるじゃねぇか、まぁいいけどさ」
学校につきクラスに入る。椿も自分の席に座った。こうしてみると席も近かったら良かったのになぁと思う。
俺がそんなことをぼんやり考えているといつも俺に話しかけてくるクラスの女子たちが来た。
「ねぇ、飯塚。今度カラオケ行くっていつにするのー?」
「うちの友達も飯塚に会いたいってみんな言ってるよ?」
あー、今度行くようなこと言ってたなぁ。今度はどう断るか…と椿を見るとこちらを目をつり上がらせて頬を膨らましながらこちらを見ている。
ヤバい、怒ってる。
「俺さ、彼女できたからそういうの行けないんだわ」
「えー、いつの間にできたの?まぁ彼女とくれば問題なしじゃない?」
「うーん、まぁ聞いてみるけど多分無理だわ」
「てか彼女って誰よ?」
「椿だ」
「椿ってうちのクラスの姫野 椿?」
「他にいるか?」
「うそ!?姫野さんなの?」
「あー、じゃあそりゃ無理か…姫野さん並みに可愛い子いないもんなぁ」
「じゃあさ、白石さんとか神城さんとか新垣さんは?」
「3年生だろ?それに白石さんは彼氏持ちだし」
「あ、でも神城さんだったら知り合いいるし呼べるかも!」
「いや、でも俺はいけないから誰か他あたってくれよ」
そしてようやく立ち去っていった。
椿に視線をやるとプイッとそっぽを向かれてしまった。
そして放課後になり図書委員で椿と一緒に図書室に向かう。
「わかってたけど随分おモテになるようですねぇ」
拗ねたように椿は言ってくる。
「椿だってよく告白されてただろ?」
「私は断ってるもん!それに春人の事気になりだしてから尚更もう受ける気なかったし」
「俺のことそんなに気になっててくれたのかぁ」
「なのにこの私が彼女になったのに春人ったら今日も他の女子とデレデレしちゃって!」
「ちゃんと断ってただろ?」
「だって春人のこと好きになったらなんか…春人が他の女子といたりすると不安になったりするだもん」
「椿ヤキモチ妬いてる?」
「うぅ、知らない!」
ドカッ
「痛いッ」
「そっぽ向きながら歩くからだよ、全く椿は本当にドジだなぁ」
「ドジッて言うな!春人に一生懸命なだけだもん」
俺はそんな椿が可愛くて抱きしめた。
「こ、ここ学校だよ!?」
「わかってる…」
そして椿に口付けした。
誰もいない図書室が俺と椿2人だけの空間に感じる。




