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会社をクビになった俺、金を使うほど資産が増える神システムで人生をやり直す  作者: MagnusOps


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第77話 ー『黒いカード』

第77話 ー『黒いカード』


2026年6月9日(火)——午前8時0分。


世田谷·キサラギ家——留奈の部屋。


留奈は複雑な気持ちで目を覚ました。昨夜はほとんど眠れなかった。心が、樹のマンションで見た全てのことを思い巡らせていた。恵比寿の高級マンション、二十五階から見える東京の景色、白い革張りのソファ、モダンなキッチン、大きなバスタブのあるバスルーム、そしてテーブルの上に置かれた奇妙な黒いカード。


「……お兄ちゃん……君に一体何が起きてるの?」


留奈は小さく呟き、ベッドの端に座った。彼女は昨日見た全ての詳細を覚えていた。スマホで撮った写真も含めて。マンションの中を歩いている時に、うっかり何枚か写真を撮ってしまった。黒いカードが写ったテーブルの写真や、ロビーの前に停めてある高級車の写真もある。


彼女はスマホのギャラリーを開き、それらの写真を見た。「CENTURION」と書かれた黒いカード。輝く黒いロールス・ロイス・スペクター。金色のアクセントが施された白いZeekr 9X Mansory。未来から来たかのような緑のブガッティ・ミストラル・ヴィンチェロ。


「……美咲に見せなきゃ。」


留奈はなぜか、美咲にこれらの写真を見せるべきだと感じた。姉はいつもより賢く、状況を読み取るのが得意だ。もしかしたら美咲なら、樹に何が起きているのか説明できるかもしれない。


---


午前8時30分——留奈の部屋·写真を送信。


留奈はメッセージアプリを開き、美咲の連絡先を選んだ。短いメッセージを打った。


「美咲、これ見て。昨日、お兄ちゃんのマンションに行ってきたんだ。」


彼女はCENTURIONの黒いカードが写ったテーブルの写真を送った。それからマンションのロビーで撮った高級車の写真も何枚か送った。


「これ、マンションの前にある車たち。全部お兄ちゃんのものだって言ってた。」


留奈はしばらく待ったが、美咲からの返信はなかった。まだ寝ているのかもしれない。留奈はスマホを枕元に置き、再び横になって、昨日見た全てのことを考えた。


---


午前9時0分——美咲の部屋·写真を見る。


美咲がようやく目を覚ました時、スマホが留奈からの通知で震えた。彼女は目をこすり、スマホを開き、留奈のメッセージを読んだ。そして写真を見て、すぐに目を見開いた。


CENTURIONの黒いカード。美咲はそのカードについて聞いたことがあった。世界で最も特別なクレジットカード。並外れた富と影響力を持つ人々だけに与えられるものだ。そしてあの車たち……ロールス・ロイス、Zeekr 9X、ブガッティ・ミストラル……全て高級住宅が買える価格の車だ。


「……お兄ちゃん……」


美咲は小声で呟き、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。樹が大きな資産を持っていることは予想していたが、このような具体的な証拠——黒いカード、高級車、高級マンション——は、兄が自分が想像していたよりもはるかに大きな何かを成し遂げたことを思い知らせた。


彼女は留奈に素早く返信した。


「留奈、本当にこれを見たの?」


留奈からの返信がすぐに来た。


「うん! 昨日、お兄ちゃんのマンションに行ったんだ。すごく豪華だったよ! 二十五階で、東京の景色が見えて、白い革のソファに大きなキッチン……それに、あの黒いカードがテーブルの上に置いてあった。」


美咲はそのメッセージをしばらく見つめ、そして返信した。


「他の人には言ってないよね?」


「まだだよ。まず美咲に伝えようと思って。」


「よかった。まだ誰にも言わないで。私がお兄ちゃんと話すから。」


美咲はスマホを置き、複雑な気持ちで天井を見つめた。兄は自分が知っている人物とは全く違う存在になっていた。そして彼女は、なぜ樹がこれら全てを家族から隠しているのか、その理由を突き止めなければならなかった。


---


午前9時30分——美咲の部屋·次の一手を計画。


美咲はラップトップの前に座り、キサラギ・アセット・マネジメントについて保存した全ての記事を再び開いた。それらを留奈が送った写真——CENTURIONの黒いカード、高級車、恵比寿のマンション——と比較した。全ての手がかりが一つの結論に導く。樹はキサラギ・アセット・マネジメントのオーナーだ。


「……お兄ちゃん、もう隠れられないよ。」


美咲はラップトップを閉じ、立ち上がった。彼女は樹に会いに行く。すぐに。そして今回は、曖昧な答えでは済ませない。


---


午前10時0分——留奈の部屋の中·留奈の思い。


留奈はまだベッドに横たわり、昨日見た全てのことを考えていた。兄に対して誇りに思う気持ちがあった。とても誇りに思う。しかし同時に、樹が何も教えてくれなかったことに少し傷ついてもいた。なぜ全てを隠していたのか? 家族が自分を違う目で見るのを怖がっていたのだろうか?


「……お兄ちゃん、怖がらなくていいのに……」


留奈は小さく呟き、胸に温かいものを感じた。兄がどれだけ金持ちになろうと、樹は彼女の兄だ。そして何があっても、彼女は兄を愛し続ける。


---


午前11時0分——リビング·美咲と留奈。


美咲がリビングに下りると、留奈は既にソファに座り、スマホをいじっていた。留奈は美咲を見るとすぐに顔を上げた。


「……美咲! 写真見た?」


美咲は頷き、留奈の隣に座った。「……見たよ。」


「……お兄ちゃん……本当にお金持ちなんだね?」


美咲は小さく微笑んだ。「……そうみたいだね。」


「……どうして教えてくれなかったんだろう?」


美咲は息を吐いた。「……分からない。でも、確かめる。」


留奈は期待に満ちた目で美咲を見た。「……お兄ちゃんと話すの?」


「……うん。すぐに。」


---


午後0時0分——留奈の部屋の中·詳細を思い出す。


留奈は部屋に戻り、スマホのギャラリーを開き、昨日撮った写真をもう一度見た。CENTURIONの黒いカードの写真を拡大し、その細部を見た。輝く黒い金属、エレガントな文字、そして完璧に刻まれた兄の名前。


彼女は車の写真も見た。エレガントなロールス・ロイス・スペクター、未来的なZeekr 9X Mansory、そして夢のようなブガッティ・ミストラル・ヴィンチェロ。留奈は兄がそんな車を持っているなんて想像もしていなかった。


「……お兄ちゃん、本当に変わっちゃったね……」


---


午後2時0分——美咲の部屋の中·樹に連絡。


美咲はスマホを開き、樹の連絡先を見つめた。彼女は慎重にメッセージを打ち、適切な言葉を選んだ。


「お兄ちゃん、会いたいんだけど。明日、会える?」


樹からの返信が数分後に来た。


「もちろん。何かあったのか?」


「話したいことがあるんだ。君のマンションで。」


数秒間、返信はなかった。そして樹が返信した。


「わかった。午前十時でどうだ?」


「十時に。」


美咲はスマホを置き、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。明日、彼女は兄に会う。そして、自分が探している答えを得るのだ。


---


午後6時0分——裏庭·夕暮れ。


美咲は裏庭に立ち、オレンジとピンクに染まり始めた夕方の空を見つめていた。彼女は樹のことを考えていた。自分が見つけた全てのこと、そして明日何を言うつもりなのかを。


「……お兄ちゃん、もう隠れられないよ。」


---


【次話 第78話——『美咲が調べ始める』】


美咲はさらに調査を進める。キサラギ・アセット・マネジメントの会社構造、取締役の名前、そして事務所の住所を調べる。彼女はその会社が小さな事業と呼ぶには大きすぎることに気づく。彼女は見つけた全ての手がかり——写真、記事、そして留奈からの情報——を結びつけ始める。樹がその会社のオーナーだという疑いがますます強くなる。


【第78話へ続く……】

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