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炎と水と〜黒竜池に眠る秘密〜僕達の推理道程【大ドンデン返しミステリー】  作者: シロクマシロウ子
転落編・落下

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近づく真実と足音1

ー登場人物紹介ー


桜田風晴さくらだかぜはる・・・田舎の農業高校2年。

桜田晴臣さくらだはるおみ・・・風晴の父親。市議会議員。6年前から行方不明。

桜田孝臣さくらだたかおみ・・・晴臣の弟。ミステリー同好会顧問。地学教師。


大道正火斗だいどうまさひと・・・ミステリー同好会部長。高校3年。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・・・ミステリー同好会メンバー。正火斗の妹。高校2年。

安西秀一あんざいしゅういち・・・ミステリー同好会副部長。高校2年。父親は大道グループ傘下企業役員。

桂木慎かつらぎしん・・・ミステリー同好会メンバー。高校2年。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・・・ミステリー同好会メンバー。高校1年。

椎名美鈴しいなみすず・・・ミステリー同好会メンバー。高校1年。


西岡幸子にしおかさちこ・・・桜田家の隣人。

今井薫子いまいかおるこ・・・桜田晴臣の秘書。


真淵耕平まぶちこうへい・・・灰畑駐在所勤務。巡査部長。

真淵聖まぶちひじり・・・耕平の長男。農業高校2年。


北橋勝介きたはししょうすけ・・・フリージャーナリスト。


 

 西岡家の客室は畳だったが、テーブルとローソファからの洋風家具だった。

 風晴、北橋らは全員がホゥと息を吐いた。

 水樹が聖に


 "足がしびれちゃうよ! 立てなくなるよ! 逃げられないところにまた話が来るのよ! もう地獄から戻って来れなくなるから!!"


 と訴えていた叫びが耳に残っていたからだ。

 これでなんとか、帰還の際には速やかに撤退ができそうだ。


 西岡満子は風晴達にカルピスを、北橋には麦茶をも準備してくれたので、全員彼女に心から感謝した。彼女があと20歳若かったら魅力すら感じていたかもしれない。

 王族が瀕死の状態で看病されると、たいしたことのない容姿、身分の設定のヒロインと、なんでかうまくいくファンタジー小説が安西の頭にはよぎった。


(アレってこういうことか……)


 と彼はいくらか人生を学んだ。──学んだか?


 満子が飲み物を出してくれているうちに、北橋は切り出した。彼女が退席してしまっては戦局(?)は全く変わるからだ。


「西岡さん、できれば満子さんからもお話しが聞ければ大変助かります。満子さんはその……今井薫子(いまいかおるこ)さんが黒竜池で亡くなった際の目撃者だと伺っています。なんとかご同席お願いできないでしょうか」


 瞬間──北橋は正火斗に目配せした。正火斗はその天性の勘の良さで、


「どうかお願い致します。僕らを助けて下さい。西岡幸子さん、満子さん」


 というセリフに甘えるような笑みを加えた。漫画なら確実にアップのところだ。

 風晴はそれができる正火斗にやや引いた。

 安西は彼を知っていたので小さくうなずいた。

 聖はカルピスを飲んだ。


「ええ、ええ! 勿論! あたし達の話で良ければいくらでも!!」


 そこまではいらない。「ありがとうございます」


「黒竜池ってねぇ、前からある噂があってね。アカガワセイって女の人が、再婚してきたんだけど」


 それは知ってる。「ありがとうございます。でも満子さんからお聞きしても良ろしいでしょうか?」


 正火斗はとりあえず進むことを選びたかった。


「ええ──? ホラ、あんだってよ 満子」


 幸子は少しふくれたようだ。娘の満子は そんな母親をすまなそうにしている。──良かった。彼女の感性はまともそうだ。

 北橋にとっては初めての話だ。安西は助け舟を出した。


「今井薫子さんとは小学校中学校が一緒だったんですよね? 仲が良かったんですか?」


 すると満子ではなく幸子が


「そうよ! いっつも2人でよく遊んでいたの。灰畑では、薫子ちゃんが1番オシャレな名前で、満子ちゃんが1番バナナを食べるのがはやいって、有名だったのよ」


 何の話だかもう。安西は諦めずに再びきいた。


「当日の12月23日には、どうして今井薫子さんと会うことになったんですか?」


 すると満子ではなく幸子が


「この子達ねぇ、東京で会ってたんですって。偶然。すごいわよね、東京って人も多いのに、同郷の人間がたまたま出会うなんて。

 まあ、あたしもね、新幹線で会ったことがあるのよ。なんと、大関(おおぜき)に! 誰だったと思う? もう10年以上前なんだけれど、あの頃ちょうど準優勝した……」


 幸子ぉおおぅい!!!!!!

 誰もが絶望しかけた時──


「お母さん、ちょっと静かにしてて!」


 と、なんと正義の声がそこに響いた!

 風晴達はもう満子を拝みたくなった。そんな彼らの神聖視を浴びながら満子は話し出した。


「母の言った通り、薫子ちゃんとは小さい時にはとっても仲が良かったんです。

 薫子ちゃんが中学2年生の時に陽邪馬(ひやま)市に引っ越してからも文通していたくらいです。でも、お互いに受験やら高校生活やらで、音信が途絶えてはいたんです」


 全員が満子の話しに大きくを相槌(あいづち)する。さあ、あなたが進めて下さい。


「もう10年くらいも前ですが、私が東京本社に出向きの用事があった時に、東京駅の化粧室でたまたま薫子ちゃんに会ったんです。

 私はスーツで仕事着でしたが、薫子ちゃんは……すっかり大人の装いでお化粧もしていて。でも私は彼女だって分かった。それで声をかけました。

 だけど、実は薫子ちゃんは…………」


 満子はそこで 一息ついた。そして喉に手をやると


「お母さん、話してたら喉乾いてきちゃった。私にも何か飲み物持ってきてくれない?」


 と言った。



 ────ファインプレイ!!!!






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― 新着の感想 ―
幸子おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? あれ? この話はコメディだったかな? あれ? 何か重要な話を聞いたような聞いてないような…………(-ω-;)
いやいや、安西よ。早まるな、思い直せ。 満子を選んだ果てにあるのは、お義母さんのセットメニューだぞ? (´・ω・`) 口は軽いが体は重い幸子のご帰還だ〜‼️ (*ノ・ω・)ノ♫ 大関の話、気になり…
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