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炎と水と〜黒竜池に眠る秘密〜僕達の推理道程【ドンデン返しミステリー】  作者: シロクマシロウ子
過去編・調査へ

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2人で行きたい道2

ー登場人物紹介ー


桜田風晴さくらだかぜはる・・・田舎の農業高校2年。

桜田風子さくらだふうこ・・・風晴の母親。民宿を営む。

桜田晴臣さくらだはるおみ・・・風晴の父親。市議会議員だったが、6年前から行方不明。

桜田孝臣さくらだたかおみ・・・晴臣の実弟。ミステリー同好会顧問。地学教師。



大道正火斗だいどうまさひと・・・ミステリー同好会部長。高校3年。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・・・ミステリー同好会メンバー。正火斗の妹。高校2年。

安西秀一あんざいしゅういち・・・ミステリー同好会副部長。高校2年。父親は大道グループ傘下企業役員。

桂木慎かつらぎしん・・・ミステリー同好会メンバー。高校2年。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・・・ミステリー同好会メンバー。高校1年。

椎名美鈴しいなみすず・・・ミステリー同好会メンバー。高校1年。


宝来総司ほうらいそうじ・・・正火斗、水樹の実父。元陽邪馬市市長。桜田晴臣が行方不明になる同日に転落死。


大山おおやまキエ・・・黒竜池によく行く老婆。


真淵耕平まぶちこうへい・・・灰畑駐在所勤務。巡査部長。

真淵聖まぶちひじり・・・耕平の長男。農業高校2年。


北橋勝介きたはししょうすけ・・・フリージャーナリスト。

安藤星那あんどうせいな・・・朝毎新報・新聞記者。

 

 夜の民宿では────

 まず桜田孝臣からミステリー同好会と風晴に、"今日3体の白骨体が新たに見つかった"と話があった。司法解剖は勿論これから。最低でも後2日は捜索が続くらしい。

 孝臣は、新たな遺体発見データをパソコンに入力しに自室に(こも)ってしまった。





 ミステリー同好会メンバーと風晴は、1番広い女子部屋に移った。

 風晴は午後から聖と大山家に行ったことを報告し、黒竜池のお地蔵様が動くとか、神様がいるとか、大山のおばあちゃんが言ったことを報告した。

 水樹は勝手に(?)聖を連れ出したことに憤慨(ふんがい)していた。が、明日聖も調査に加わわりたいと言ってることを伝えたら、かなり機嫌を直した。


 ポストに届く怪文書の話も──と風晴が口を開こうとした時、女子部屋にコンコンと言うノックの音が響いた。

 水樹が


「はーい!」


 と対応に立ち上がりドアに向かった。

 女性の声で何かを言っているのは分かるが、内容までは聞き取れない。

 みんなはドアの方を見ていた。

 戻ってきた水樹は、怪訝(けげん)そうな不思議そうな妙な表情をしていた。


「全員にオープンスペースに出てきてほしいって。あの新聞記者とフリージャーナリストの2()()()聞いて欲しい話があるんだって」


 その場にいた全員が水樹と同じ表情になった。 







「来てくれてありがとう。ごめんなさいね」


 安藤星那はフリースペースの椅子配置を変えて、全員が輪になって話せるようにしていてくれた。勧められて、皆が椅子の方に流れだす。


「こんばんは、北橋さん」


 水樹は愛想よく挨拶したが、北橋はただ微笑みを浮かべただけだった。彼は水樹から離れて、空いていた正火斗と風晴の間の椅子に座った。

 安藤は最後に空いていた安西と椎名の間におさまった。


 安藤は北橋と目を合わせ、2人は小さくだが うなずき合った。────一体何が始まるのか。




「君達は高校生だが、どっかの大人達よりよっぽど理解力はあるはずだ。率直にいきたい」


 その北橋の声に


(オレいて良かったのかな?)


 と風晴は思った。

 正火斗は彼の声そのものに()()()()()


「オレは大道正火斗と組みたいんだよね。彼が宝来総司の息子だから。そしてオレが」


 彼はほんの少しそこを溜めた。


「田所高文の弟だから」


 ミステリー同好会メンバーにとっては、誰も予想だにしない展開だった。みんなが驚いている。

 安藤が付け加えた。


「ご両親が小さい頃に離婚して、別々に引き取られたんですって。それで名字は違う。でもいつも連絡を取り合うような兄弟だった」


 北橋は安藤をみて眉を上げた。

 彼女は開いていたメモ帳をトントンと指で叩いて見せた──取材力のアピールに。


「兄貴は──高文はカメラマンだった。でも記者の仕事もしていた。結婚して奥さんのいるS県が住所にはなっていたが、あっちこっちに飛び回っているようなヤツだった。東京にもA県にも行き来していた」


 北橋は一度言葉を切った。


「オレがフリーターでふらふらしてた頃、兄貴の奥さんから連絡が来たんだ。高文がしばらく帰って来ないばかりか連絡も取れなくなって、行方不明だと」


 みんなは静かに続きを待った。


「警察から連絡があって、兄貴の奥さんとオレはA県に行ったよ。ここに、来た。黒竜池に。そこの草やぶから兄貴のカメラだけが発見された」


 安藤も真剣な眼差しで聞いている。


「当時の警察発表はこうだ。

 現場周辺の足跡は多数。うち、真新しくて有力なものは3つ。男物が2足と、女物が1足だった。男物のうち一つは兄貴のだった。池べりまでついていたらしくて、池に転落している可能性はあると言われた。

 だが、捜索は1日だけ。さらっとやって終わりさ。

 オレは自分で潜って池から兄貴をさらってやりたかった。でも母親に止められた。産んだ2人共が遺体がないなんてことになったら、耐えられない────と」


 女手一つで北橋は育ててもらったんだろうか。だとしたら、風晴とそこは同じだ。


「結局兄貴は行方不明者扱いになった。でもオレは兄貴が殺されたと思ってた。思い込みじゃない。決定的なものがカメラに残ってた」


「カメラに? 写真ですか?」


 桂木が身を乗り出して聞いた。聞きたくなる気持ちも分かる。


「フィルムの最後の一枚に男が映っていた。角度から、兄貴は倒れながらシャッターを切ってる。写真の背景は暗かった。夜なんだ。

 おそらく兄貴は最後にカメラを投げたんだ。兄貴が池に沈んだあと、暗くて犯人達はそれを見つけられないまま逃げた」


「写真の男のことを調べたんでしょう? 当然」


 安藤が横から口を(はさ)んだ。

 北橋は大きく うなずく。


「当然だ。警察にも提出した。

 どう見ても関光(かんこう)建業の羽柴(はしば)真吾という男と一致した。警察もそこまでは分かってる。

 関光建業は言い変えれば“関光組"。表向きは建設業だが、裏では武器・麻薬の密輸と販売が噂されていて、A県に基盤を置く大倉戸(おおくらど)産業と繋がりがあった。

 ちなみに、大倉戸産業はA県の県議会・市議会とも不正な癒着をし、2021年にこれらは摘発されている」


 正火斗から今朝聞いた話とほぼ一致している。正火斗と風晴は、目と目を合わせた。







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― 新着の感想 ―
意外と早く正体を明かしたな。 まあ、それだけではないんだろうと予想するが。 まだ口から出任せの可能性は残っているが……………それは穿ち過ぎかな?
電話の相手……こんなに早くオープンになるとは……。 (・∀・) にしても100円でグチグチ言うのはケチ臭いなぁ〜と、思っていたら最後の方で印象変わりました。 小物感を含めての演出・演技だったんですね…
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