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魔族への誘い  作者: 銅 ボンド(アカガネ ボンド)
ようこそ魔族領へ!
4/14

第004話 童歌

童歌(わらべうた)

4話です。宜しくお願い致します。

ある期間私の感覚がだんだんとなじみ母体が休息をとる時間が増えてきた。

この頃、私は間違いなく母親の胎内に居ると確信した。

それは振動で母体が動き回るのがなんとなくわかるのだ。 

人工的な生物の可能性はおそらくない。


だが不思議なのはどうも妊娠の期間が短く自分の体の成長が早く感じる。 

この時私に懸念することがあった、

それはこれから生まれる自分が人間ではない可能性があるということだ。


しかもこの短期間観測してから一か月も経っていない。 

なのにすでに体が少し動かせるし早くも胎内に圧迫感を感じていた。


人間でないならせめて犬猫でお願いします! 

しかもお金持ちの家に生まれたい! 

どうか畜生道に落ちたとしてもやはり厳しい弱肉強食の世界は嫌だ! 

下等生物ならレアな奴で!動物園の保護されるレベルでお願いします!


そう思いながらネットのメモ書きに記録していると、

今更願ったところで体が少しずつ出来上がっているので祈りに意味がないとあきらめた。


ここ数日私は「脳だけが拉致監禁されている説」を捨て去ると

躊躇なく意識だけでネットの海を徘徊するようになった。

そしてある時から私の希望となる音が拾えるようになった。

それはネットの時間に合わせると夜の時間帯に、優しい振動が音として認識できる。


グー アート グー ナハー ♪

シュラー シュラー ホダー ズースー クアーベ ♪

シュラー マン プンツヒェン シュラー アーイ ♪


私の胎児としての肉体は眠りに落ちているが、意識は振動を感じている。

結構耳がいいのかもしれない。

少なくとも母体が子守歌を歌うだけの知識と余裕があり私は安堵したが、更らなる不安が過る。

私は語学に疎い、子守歌が日本語ではないところを見ると外国人に転生するという可能性が大である。

語学も一から学ぶのか・・・

日本人であれば「強くてニューゲーム」だったのに。

しかも意識がネットに繋がるという「チートでニューゲーム」である。


ただ聞こえてくる 言語をカタカナで拾いネットで調べてみるも

サーチエンジン先生は「そんな言語ない」と出る。

くっ・・ 母親の国籍が特定できない・・・。 


犬猫なら前世で稼いだ財産を餌代にすればよかろうと思っていたが、

人間であるならさらに金がかかりそうだ。

幸い前世は独身だったので少しだけ財産がある。

頼む裕福な家庭であってくれ!

なんだろう体が出来上がったからだろうか感情が戻ってきた気がする。

いいねやっぱり生き物は心臓が動いて何ぼですよ。 

もちろん思考はいつまでもプラスだけじゃない不安もある。


ついついネットで為替を調べてしまう。

日本円安いな・・・小競り合いをつづける大きめの国家は一時的に通貨が売られてしまう傾向にある。

財産が日本にあるというのは今時不利なのかもしれない。

現代よ戦争をやめろ。

そして私を安全な国に生み落としてくれ。


前世で貯めた財産だが、死亡認定されたら凍結か相続されて使えなくなるかもしれない。

メールを駆使して家族と連絡を取ってみよう。


こうしては自分が今まで使っていたアカウントを洗い出し稼働していることを確認。

電子マネーも残っているしいざとなったら独身でため込んだ財産を転生した新しい家族に送金して自分の養育費にするんだ!


私はSNSにログインすると安否確認の未読メッセージがカンストして999になっていた。

これいきなり既読がついたらみんなびっくりするだろうね。


とりあえず父母に連絡すると心臓発作でぽっくり逝きかねないから妹あたりに送ってみるか。


ーーーーーー

          「生きてる?」>私


妹<「誰?」


ーーーーーー



うん、そうなるよね。

死んだはずの家族のアカウントからメッセージが着たら乗っ取りを警戒するし、

現代社会にまだまだ詐欺は多い。



ーーーーーー

          「生きてる?」>私


妹<「誰?」

         「ユウカ、真面目な話だ。」

        「今自分は自由に動けない。」

         「頼むから信じてほしい。」 

      「山口俊也 36歳 19xx年xx月xx日生」

       「電子マネーのアカウントは

           xxxxxx

         パスワードはxxxxxx」>私


妹<「ちょっと待て マジで兄貴?」

  

     「これから電子マネーで5万円送る

         これで信じてほしい。」 >私


妹<「生きてるの? どこにいるの?

     

     「恐らくもう会えない。

     父さんと母さんはどうしている?」>私


妹<「結構大変なことになってる。

   みんな病気はしていないけど精神的に疲れてるよ

   弁護士の先生が賠償とかで

   結構な金は入ってくる」

       

      「変な希望を持たれても困るから

       連絡したことは秘密にしてほしい

       あとログインしなくていいから

      パソコンを起動しておいてくれないか >私 


妹<「報酬は?

   

       「しっかり者の妹が残ってくれて

       お兄ちゃんうれしいよ。」  >私 

                    

        (死人から金を取るとか抜け目のない奴だ。

        もう会わなくて済むと思うと嬉しいね)


妹<「ねぇ 失礼なこと考えてない?


ーーーーーー

女はなぜこうも勘が鋭いのだろうか。

私は電子マネーを10万円分、妹に送金するとパソコンの起動を察知した。

なぜだろう自分が知っている地域、機器に意識を集中すると特定できる。

ログインもなぜかパスワードなしで入れる。

凄腕ハッカーになった気分だ。

アクセスしているのは自分のパソコンだけど。

とりあえず不要なデータは消し去り、必要なものはすべてクラウドサーバーに移行させた。

これで必要な情報は必要な時に取り出せる。

はじめは初期化しようと思ったが時間もかかるし再起動など妹の手を借りることになるので止めた。


おっと、推しアニメのデスクトップ壁紙は変えて消しておこう。 

適当な猫ちゃんの壁紙にして、「シャットダウン」っと。

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