22 どこへ行った?
「フィール…。」
俺はなぜかその名をボヤいていた。
「どこへ行ったんだ?トーマスという護衛を置いて行方不明など。」
「一体どちらに行ったのでしょうか…。」
俺の言葉にトーマスはそう言った。
「くまなく探しているんだろうな?」
「全使用人に探させておりますが見つかっておりません。おそらくこの邸宅外にいられるかと。…それと、妙な事を言っている侍女がおりまして…。」
トーマスはそう言って、ドアの方を見るのであった。察した俺は「入れ」と言った。
「失礼します。」
入ってきたのはフィールの専属侍女であった。
「昨夜からフィール様はガウル侯爵のことを調べていたのはご存知ですか?」
それは昨夜あの女と話したが、会うのは1週間後と取り決めたはずだ。
「実は本日の朝、急にフィール様が「あっちからの誘い!」と言って、護衛らしき人物を連れてどこかへ言ってしまわれたのです。おそらくガウル侯爵の元へ行ったのだと…。」
「護衛らしき人物…っというと?」
トーマスは侍女の発言の質問点を便乗してくれた。
「護衛騎士の方々と同じ格好をしていたのですが…。顔も知らない方でして…。その方はとにかく無口だったんです。」
「名前は?フィールが呼んだりしていなかったか?」
俺の言葉に侍女は「あ!」となって口を開くのであった。
「言ってました。確か、《ドルトレ》と。」
「「!?」」
俺とトーマスはその言葉を聞き、驚くのであった。
なにやらあの女。…厄介ごとに巻き込まれたな。




