2 これは、冤罪だ
私、フィールとディアナは王宮のパーティーへ訪れるのであった。私はブルーグレーのドレス。ディアナは黄色のドレスを着ている。
「珍しい。姉さまがすごく質素でシンプルなドレスを着るなんて…。」
あれ着て誰がパーティーなんかに出席できると思ってるの?私、前世でドレスとか着たことないんだよ?
私はドレスで動くことに少し苦戦をしている。
「なにやら、皆様派手なドレス。」
「姉さまがシンプルすぎるだけだと思いますが…。」
まぁ、確かに私は他の方とは比べてそうかもしれない。でも…あんな派手で綺麗なドレスは、私が着るべきものじゃない。ま、私はそんなことより…。
私はシャンパングラス越しにこの国の現国王であるアルバートを目に焼き付けるようにしながら見る。
今日、あの男がこのパーティーで〝命を落とす〟
そして、王位継承権現1位であるアランが国王に成り代わるのだ。
そんな未来、絶対に阻止してやるんだから!…まぁ、エミリアとアランは別の機会に合わせてあげるから。
私は今日、あの男を張ることを決意した。
「姉さま。ちょっと私、あの子達と話に行ってきます!」
「…がんばってね〜。」
私はケーキを食べ国王を見張りながらそう言う。
とにかく、あの男の行動をしっかり見張らないと。
国王がどう死ぬかは、小説ではしっかりと描かれていない。私の予想だと、このパーティー内だから、毒殺だったと思うのよね。だから、あの男が口にするものをよく見ておかないと。
私が王を見張っていると、どこからか女性たちの奇声が聞こえたような気がする。その奇声の元に振り向くと、公爵が扉から入ってくる。
来やがった…。
私は公爵の方に視線を向ける。
アラン。この物語の主人公のパートナーとなる存在。主人公は、元々は現国王のアルバートの婚約者であったが、まさかの婚約者が亡くなってしまい、帰る場所さえなくなっているのだった。そこで、出会ったのがアランだったとさ。
流石恋愛小説。前世じゃあり得ない設定よね。
私は思わず感心を受け首を縦に何回も振った。
でも、小説ではいつ国王は殺されたのだろう。パーティーと言っても、これだけ人の目がありながら、王を殺害できるなんて…。みなが一斉に視線をズラすタイミングでしょ?そんなタイミングあるわけ…!?
私は公爵を向けていた目を国王の方へズラす。
そうよ!まさに今じゃない!全員が公爵に視線をズラす今よ!
私が視線を向けた頃には、あるウェイターが国王にワイングラスを渡しているのであった。王は「気が利くね。」っと言っている。ウェイターのもう片方の手に持っているグラスは、模様が違っていた。
私はそのウェイターのポケットがキラっと光ったのを見逃さなかった。
あれ…きっとガラス瓶よね!?絶対、毒入れたでしょ!?
私は、王の元へ走っていく。
「国王陛下!そのワインを飲んでは駄目です!」
私の言葉と同時に王は口にワインを注いでいた。
駄目!飲んじゃ。
私は思わず国王陛下が飲んでいるワイングラスを地面に落とした。ワイングラスは勢いのあまりにパリンと割れる。
「おい!無礼者!何をしている?」
「…っが。」
王はその場に倒れるのであった。
嘘でしょ!?
私は思わず、王の脈を測る。
微量だから、まだ息があるみたい。
王が倒れたことにより、またまた悲鳴が上がる。
「おい、お前!王に何をした!」
私は傭兵になぜか、手を掴まれ連行されるのであった。王は周囲が手当をしている。
よかった。王は助かる、わよね?…というか、私、国王殺害未遂で処刑とかあり得ない!?冤罪だ!
私は傭兵に連行されてしまうのであった。




