18 なかったよね?
「み、3日前に盗難?、ですか?」
私はオリビア様の言葉に静かにそう呟いた。
3日前に盗難?小説ではなかったわよね?…物語が変わっているの?
「この近くで、敵襲があったらしくてな。その応援のため、指示を出している最中に小屋に保管していた日記が盗まれたんだ。まぁ、その敵襲も数人逃がしてしまったようだが…。」
「「!?」」
私と公爵様は同じような反応をした。
さっきの敵襲の!
「まぁ、敵襲のほとんどは殺しちゃったから、あとの逃げた数人に話が聞ければいいんだが。」
私はその言葉に公爵様をじーっと見るのであった。公爵様はそんなの知らんという笑顔で私を見る。
殺してたよね?
「その逃げた数人の敵が襲ってきた。」
公爵様の言葉にオリビア様は雷が落ちたのような顔をするのであった。
「なかなかの度胸なことだ。私でも、公爵様に数人で敵襲しようなど思わないが…。」
いや、私も同感だよ。
「…ってことはアランは殺したか。」
オリビア様は怒りもせずにそう言った。私は宝石を収穫する作業をやめ、オリビア様に向かって言うのだった。
「他に盗まれたものはなかったのですか?」
「ないな。金目的だと思ったが、盗まれていなかった。」
小説の中では、オリビアは小屋の鍵がかかった場所に日記を入れている。それだけ彼女にとって、日記は大切なものだからだ。
なのに、こんなにあっさりと盗むなんて…。その日記がなきゃ、誰に接触したかもわからないのに。
「ところで、オリビア様。国王を少し、妬んでいた人物をご存知ないですか?」
私の言葉にオリビア様は目を開き、考える状態であった。
やっぱり、秘書さんに聞くべきことじゃなかったのかなぁ?…それより、秘書さんが知らないのかも。自分の主を妬む人を周りが教えてくれるわけでもないし…。
「多すぎて数えられんな。」
「そうですよね。やっぱり…って、え!?!?!?」
私はオリビア様の言葉に衝撃を受けるのであった。
「え、ちょ、あ、え?」
「そんなに驚くことじゃあ、ないぞ?あの男は少し公爵と同じく捻くれた性格を持っていてな。」
「おい。」
「それで、会議が終わったり、判決が出たときにあの笑顔で手を振ったりしている。」
あ、うん。納得。
私はオリビア様のその発言に笑顔でさーっといるのであった。
公爵様と王が仲の良い親友とは知っていたけど、まさかそんな共通点があったなんて。…まてよ?オリビア様ってそのウザコンビに挟まれてるのに、生き残れたの凄すぎない?絶対、ストレス溜まってたでしょ!
「なんなら、リストをやろうか?」
「はい!是非!」
私はオリビア様にそう返した。
本当にイケメンすぎっ!
「公爵も気をつけろ。」
オリビア様が低い声で私に聞こえないよう、公爵様に何かを言っていた。
「あの女が盗難されるかもだぞ?」
私には何を言っていたのかは聞こえなかったが、公爵様の目が揺らいだのは確認できた。
「本当に何があったんだ?」
オリビア様のその言葉に公爵様は「さぁ?」と濁すのであった。




