72/120
ハギザ75
よろしくお願いします
朝だ。
枕に顔を埋めて、光を遮っていてもわかってしまう。部屋の空気を肌で感じればわかってしまう。
「うぅ…ハギザぁ?」
どうせ、またハギザに声をかければすぐに体調は良好。それなのに、ハギザからの返事が返ってこない。
「ハギザ?」
確かに目の前にハギザが見える。いつもと変わらないくらいに真っ黒で、奇妙に模った人形の化け物。
「おい…ハギザ、起きろって」
目が空いていない。いつもなら、僕がハギザに声をかける前に取り憑く準備をしているくせに。今日はなんだか機嫌でも悪いのだろうか。
そんなことを考えていたって、ハギザが取り付かなければ体調だって、頭だって冴えないから、早く取り憑いて欲しかった。
なのに…。
「しん、あんた遅刻するよー?」
気怠さが治らない状態が続いて、とうとう母さんまでが僕を起こしに来る始末。なのに、僕はそのまま、深く重い意識の中で、ハギザを待っていることしかできないでいた。
ありがとうございます




