ハギザ74
よろしくお願いします
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真っ白な空間。
何も見えない。
化け物すらいないこの空間は極めて真っ白。
僕はそれでも、化け物がどこから現れるのか必死に待っていた。なのに、何も起こる気配がなかった。
「びびったな、僕の勝ちだ」
一体何を競って、何に勝ったのか自分でもわからない。ただ、化け物という敵対を意識していたせいなのだろう。こんな状況でも気分がよかった。
『がはは』
安心していた束の間、化け物の声が空間に響いた。しかし、姿も形も現れない。
「おい!びびってんじゃねーよ!」
いつ奇襲を仕掛けてくるのかもわからない化け物に挑発をするけれど、化け物は怯えている僕を嘲笑うように、不規則なタイミングで機械音を交えてくる。
不安で、恐ろしくて、自分がどうして怯えているのかもわからないし、これが本当に夢で、現実で死なないとわかっていたはずなのに。
いつの間にか、それも長い時間この場所にいるせいで、化け物の形も忘れてしまったかのよう。
「卑怯だぞ!」
遂には笑う声も何もなくて、何もない空間。
ただ一人、何に怯えていたのかさえわからなくなる。
「くそっ、もう覚めてくれ」
目を瞑って視界を塞ぐ。
この時、ようやく黒い色を思い出す。
でもまだそれは足りなくて、一切眠くならないこの空間で何を考えていたって落ち着きはしない。
「覚めろ覚めろ、覚めろって!」
いつの間にか握っていたフォーク。
これは何処かで覚えがある。
僕は、何を思ったのかもわからぬまま、僕は自分の手首にそれを思い切り突き刺した。
「いっだあ!」
覚めはしない、痛い、血が滲む。
目から出る涙に、溺れて蹲る。
決して痛いから蹲っているのではなくて、不安に駆られているからだ。
「もう、何もいらないから」
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