ハギザ39
笑おう
僕の背後にいつもいるハギザのことを君に話した。
どれくらい時間がたったかわわからないけど、君は僕の話をずっと聞いてくれていたのは知っている。
「ごめん、話長くなって。でも…」
「平気だよ、逆に話が短い方がおかしいくらいだと思う」
「ありがと、でもさ、なんで?馬鹿馬鹿しくない?」
こんな話をする僕よりも、こんな話を信じようとした君の思考が知りたくてたまらない。だから僕は、僕の話が終わるや否や君に質問をした。
「まぁ、馬鹿馬鹿しいとは思う」
『がはっ!がはっはは!馬鹿って言われてるぞ!?お前だっさ!』
「今ね、ちょうど僕の化け物に笑われたよ」
「ごめんね、でも悪気がある訳じゃないよ。ただ、私って人のことをあんまり信じてないから。人は他人の為には生きないから」
『がっ?』
笑いっぱなしだったハギザは急に静止した。それは、真面目な君の言葉を聞く為だろう。
「どう言う意味?」
君にそのままの意味で聞くと、君は少しだけ間を空けて口を開いた。
「私ってさ、結構ひねくれててさ…。偽りでできたこの世界で、誰かが世間的に綺麗な行いをしても汚く見えちゃうの」
「んー、たとえば?」
『お前馬鹿だろ、察しろよ』
「えっと、他人に優しくすることとか、かな?」
「優しく。んー?優しいが汚い?」
「うん、偽物に見えちゃうんだよね。あははは、なんか自分でも馬鹿みたいだよ」
『がはっ、俺に似てねーか?こいつ捻くれまくってんな!ガハハッ!』
「僕にはあんまりわからないけど、ハギザには一応共感されてるから、何かあるのかもね」
「そっか、じゃあこれからよろしくね?ハギザさん。これでいいかな?」
『がはっ!ばっかみてーだなっ!こいつ』
「化け物のお前が言うなよ…」
馬鹿になって、見えもしない存在に声をかける君に、照れているハギザはジグザグに揺れた。
僕以外の人間に認知されないこの化け物ほど、欲求が深い存在はないのだろうか。
よろしくお願いします




