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ハギザ10
あう、おう、うん。
よろしくお願いします
教室に戻る。
やっぱり二時限目が始まるギリギリのタイミングだった。
入り口のドアから遠いい自分の席に着くや否や、次の授業担当である女の先生からの号令がかかった。ちなみに、この授業は数学だ。
「秋乃くん、また消しゴム貸してもらえるかな?」」
号令のあと、生徒達が着席しはじめた頃に、僕に向けられた君の小さくて申し訳なさそうな声に振り向かされた。
まだ数字も何も書いてないと言うのに、誤字や計算間違いをする前提とした、そんな君の言い回し。
「あー、じゃあこれ、あげるよ」
まだ一度も使っていない新品の消しゴムを鞄から取り出して、君の手のひらに置いた。
「え、でも…」
気を遣ったのは僕だったはず。
なのに、君に気を遣わせてしまっている僕の行動。
「いいよ、まだ一億個くらいあるし」
「そ、それじゃあ」
「うん」
恐らくスベった会話に後悔する。
そんな心の動揺を隠しながら、恥ずかしさに顔が赤くならないよう意識して、前を向き直した。
「ありがとう」
「んっ」
この状況となれば追い討ちでしかない君の感謝に、僕の震えている喉がバレないように頷く。
『苦しいぃ!緊張するな!がはぁー』
もがいているのはハギザも同じ様だ。
ありがとうー




