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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
最終章 もうボッチではありません!

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92/93

第92話 盾の秘密です!

 あれから数週間後のこと。



 チヨメの忍法で、賢者の石は内容だけ巻物にメモを取った。賢者の石そのものは、再び封印される。



 この賢者の石は、キエフ王子によって厳重に管理されるだろう。



 哀れなくらい、グシオンは血の気が失せ、老人のようになっている。手下の盗賊二人が担げるくらいに。



「コイツは、アタシが責任を持って連れて帰るわ」


 痩せこけたグシオンを連れて帰る男爵夫人の姿は、今でも目に焼き付いている。


 騒動の責任を取り、男爵夫人はシングニアとの国交回復交渉に、無償で立ち会った。今後、シングニアは魔族との契約を断ち切り、独自で発展するという。キエフの協力を借りて。



 全ての作業が終わり、全員は昼下がりのキエフ王子邸でくつろいでいた。



「以前から疑問だったんだが、どうして、盾を持ちながら攻撃をするんだ?」


「シールドだから、攻撃力がないでしょ?」


 武器ではないから『スキル:無手勝』でも攻撃力は乗らないだろう。そう、リッコは思っていたのだが。


「いや、その盾が一番攻撃力が高いんだが……キミが剣に変化させて使ったんだろ?」


 なんとなく使っていたから、意識していなかった。


「どれくらい強いんですか?」

「キミがさっきまで装備していた、バスタードソードの三〇〇〇倍くらいは」

「ええ……」


 使い込んでいるから、おそらくもっと攻撃力が増しているとのこと。


「てっきり、あの破壊力は意図的なものかと思っていたぞ」


「とんでもない。わたしは手加減をしていたつもりでした!」

 どうりで、グシオンを蹴りで粉砕できたはずだ。


「恐ろしいのは、それだけの攻撃力を誇っていながら、誰も殺してないことだ。みんな虫の息という」

 ソランジュに指摘されて、リッコは身震いした。


 だが、一番驚いていたのは、キエフ王子である。


「ホワイト・ドラゴン!? あなたは、どのような相手を倒したか、分かっているのですか?」


「いえ、まったく」


「そのドラゴンこそ、一五〇〇年前にこの魔王を封じたモノですよ!」


「え、そうだったんですか?」


 そんな曰く付きの神様だったのか。


「ボクのおとぎ話にも、よく出てきました」


 おとぎ話にでてくるクラスのドラゴンから、ウロコを分けてもらっていたとは。

 

 おそらく、コスタ将軍を埋葬したのも、ホワイトドラゴンだろうと。


 早い段階で、リッコは秘宝の秘密に最も近い存在と出会っていたのだ。 


「呆れた! 心配して損したよ。そんな大物と知り合いだったとはね」

 ソランジュがため息をついた。


「リッコ、キミは本当に、出生を詳しく知らなくていいんだね?」


「わたしは、わたしです。ジョーイちゃん、チヨメさん、それにソランジュさんと友だちです!」


「知り合いだ!」


「えーっ!?」


 またも秒で、友だち宣言を拒否されるとは。


「相変わらず、飽きさせないな、キミは」

 ソランジュが、クスクスと笑う。


「さて、行くか」

 ソランジュが立ち上がる。

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