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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第六章 最後の闘いです!

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第89話 わたしは、わたしです!

「剣を折ったくらいで、勝った気にならないでください! シールドォ・キーック!」

 みぞおちに、リッコの足刀がクリーンヒットする。


「ぐほぁ!」

 盛大に、グシオンの身体がくの字に折れ曲がった。


「魔術の栄えた歴史が、武術を蔑ろにした歴史だと仰いましたね?」


「いかにも! 誰にも理解されず、ひたすら己を鍛える道。人造人間である貴公にも、我が感じた身に感じた屈辱が染みよう!」


「人造人間ですって?」




「知らんかったか。貴公は、キエフが作った超人ぞ。そこの小僧が、よく知っていよう」




 グシオンは、刀で王子を示す。


「王子、今の話は、本当なんですか?」





「たしかに、キエフは人造人間を作っていたそうです」




 前キエフ王は、コジモ王女を溺愛していた。

 だがコジモが死に、「丈夫なコジモを作る」という狂気に取り憑かれてしまう。


 コジモの遺伝子から、何体も人造人間を作り上げ、いよいよ最強の戦士が完成した。


 だが、その女性は一人の男性と城を脱走する。


 怒りにふるえた王は、最終兵器を持ち出す。


 王を止めるため、少女はキエフと運命を共にした。



「その娘は、子を宿していた。人造人間と人間との間に生まれた子。それが貴公だ! キエフの古い文献を調査したら、興味深い資料を手に入れた。間違いなかろう」



「キエフを滅ぼしたのは、わたしの母だったんですね……」


 師匠が教えてくれなかったはずだ。


「違います! 王が悪いのです! あなた方に非はありません!」


 だが、自分を守るために、母は。


「これで分かっただろう? 貴公は孤独になる運命だったのだ! いくら人の姿を取ったと言えど、所詮は作り物の忘れ形見。誰にも触れ合えぬのだ」






 リッコは大きくクビを振る。





「言いたいことは、それだけですか?」





 母を作り物と侮辱され、リッコの怒りは頂点に達した。





「わたしは、わたしです。生まれなんてどうでもいい」


 母は、リッコを救ってくれた。世界を犠牲にするという業まで背負いながら。


「母の行いを、どうこう言われる筋合いはありません! 借借り物の力なんて使ってイキがっているあなたなんかに!」


「ほざけよ、小娘が!」 


 グシオンに、憤怒の表情が浮かぶ。



「貴公の進む道は、修羅の道ぞ。それでも歩むというか?」

「師匠はそんなこと、教えませんでした。人は守るモノがあるから、どこまでも強くなれると。それを今から、証明致します!」



 シールドを外して、リッコは両手を広げる構えを取った。



「何をする気ぞ?」




「真剣白刃取りを、お見せ致しましょう」

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