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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第六章 最後の闘いです!

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第88話 魔王を取り込んだから、なんだっていうんです!

 脂汗をかくグシオンの身体が、虹色の血を吸って膨れあがる。角はさらに伸び、肉体も刀も二倍に。


「なるほど。魔王アガリアレプトを復活させたかった理由が、自分で殺すためだったとは」


 それも、自分自身に魔王の力を取り込むためだなんて。


「魔王アガリアレプトを倒し、貴公は強くなった! 貴公を超えるには、我も魔王を殺す必要があったのだ!」



 なんという執念だろう。

 ソランジュと対等に戦うためだけに、かつて従っていた魔王を殺せるのか。

 


「どこまでコンプレックスのカタマリなのか? 私より強く思われたければ、そう振る舞っていればいいだけなのに」



「魔王殺しがどれだけ偉業か分かるまい! 容易くトップに変わるコトができるのだぞ!」

 グシオンが、憎悪の眼差しをソランジュに向けた。


「魔術の栄えた歴史は、そのまま武術がないがしろにされた歴史なり!」


 武術を磨いても、魔術でその上を行くソランジュを、グシオンは恨めしく思っていたらしい。


「どれだけ腕を磨いても、魔術によって下に見られる! どこまでいっても、我はソランジュの二番手! 真に最強はソランジュ・オルセンであると、配下でさえ認識しているのだ! 払拭する手段はただ一つ! 我も魔王を超えるのみ!」


 笑みを浮かべながら、グシオンは口から赤黒い湯気を放つ。


「そのために、どれだけの人が傷ついたと思っているんです?」


「知らぬ! 塵芥の命など考えたこともないわぁ!」


 怒りに満ちたリッコの問いかけに、グシオンは吐き捨てるように返答する。


「そうですか……だったら、あなたをぶっ飛ばして分からせて差し上げます! グシオン将軍、お覚悟を!」


 他の者達の避難は、ソランジュたちに任せた。


 この場では、大魔法を撃てない。


 肉弾戦が得意なリッコが取り仕切るべき。


「貴公が相手か。面白い。まずは貴公を倒してから、存分にソランジュを滅するとしよう!」


「戯言は、わたしを倒してからおっしゃってください!」

 リッコは、バスタードソードから衝撃波を放つ。


「剣で受けるまでもなし!」


 グシオンは剣を片手で担ぎ、衝撃波を片手で受け止めた。


 リッコの魔力でできた刃を、指で摘まんでいる。


「これぞ、真剣白刃取り!」

 片手をブンと振って、グシオンは光の刃を打ち返す。


 大型の衝撃波を、リッコはバスタードソードで受け止めた。

 

 しかし、剣にヒビが入ってしまう。魔物の力が備わった剣が、いとも簡単に折れた。衝撃波もろとも破壊される。


「そんなナマクラで、我に挑むつもりだったのか!」

 横一文字が、リッコの胴を薙ごうと迫った。


「シールド・バッシュ」

 折れた剣を捨て、グシオンの横凪ぎを、リッコはシールドで軽々と弾く。片手で。 


「なんとぉ!?」

 全力の攻撃を一瞬で防がれて、驚愕の表情をグシオンは浮かべた。

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