第67話 わたしのスキルは凄かったみたいです。
「なるほど、浄化したんですね?」
「はい。それが仕事ですので」
「じゃ、呪われたアイテムを持ってきますから、手当たり次第に浄化して下さい」
言いながら、リッコは力尽くで、冒険者からアイテムを奪って回った。
「じゃあジョーイさん、お願いします」
リッコは、ジョーイにアイテムの山を渡す。
「あのー。それはいいんですけど、浄化ならあなたにもできます。リッコさん」
受け取ったアイテムを浄化しながら、ジョーイは告げる。
「ホントですか?」
「聖騎士にも、『アイテム浄化』のスキルがあるはずなんですが」
リッコは、冒険者スキルカードを調べてみた。
「ホントですね。書いてました。『聖剣 呪い断ち』ですよね?」
しかも、攻撃しただけで浄化可能と書かれている。
「あたしより強力ですよ。その剣、衝撃波を出せるので、それを飛ばして霊体を倒せばいいんです」
ならば、リッコが霊体を潰す方が早い。
「じゃあ、アイテムをやっつけてまわります。でも足が遅いんですよね、わたし」
「気にするな」
ソランジュが、ステッキの持ち手を口に当てた。フルートのような音色が、街に響き渡る。
ウオオーン……というオオカミの遠吠えが、そこら中から聞こえてきた。
「ぎゃあああああ!」
冒険者たちの悲鳴が、街中に轟く。
「何が起きているんです?」
「そのうち分かる」
ソランジュの言葉通り、理由はすぐに分かった。
「ああ、イグルちゃんじゃないですか」
召喚獣イグルが、マジックアイテムを口にくわえて、リッコの前に現れる。イグルより小さいオオカミも続々とやってきた。オオカミたちも、マジックアイテムを噛んでいる。
イグルが口から離したアイテムを、ジョーイが浄化を開始した。
ヒザをつき、イグルがリッコの方を見る。
「え、乗れというのです?」
「乗ってやれ。手当たり次第に霊体を潰してこい」
「分かりました。行きましょう、イグルちゃん!」
オオカミの背に乗って、アイテム浄化へ。
「待ってくれ!」
リッコが出撃しようとしたとき、中年の冒険者がリッコの前に立ちはだかる。彼はクテイのギルドマスターだ。
「アイテムは壊さないでくれ! 商売ができなくなる!」
「コノ期に及んで、まだビジネスの話ですか!?」
「アイテム集めは、冒険者にとって華だ! これは信用の問題なんだぞ! オレの発言は、ギルドの総意と思っていただきたい!」
リッコははらわたが煮えくりかえる気分がした。街が混乱しているのである。いつう犠牲者が出てもおかしくない。それでもアイテムの方が大事と、この男は言い張る。
「あなたいい加減に!」
「いいでしょう。その代わり覚悟をしておいて下さい」
リッコの言葉を遮って、ジョーイがギルドマスターの依頼を受諾した。
「ジョーイさん!」
「リッコさん、交渉ごとはあたしに任せて」
「は、はい」
この場はおさめてもらい、リッコは改めて出陣する。




