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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第四章 本格的な宝探しです!

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第64話 騎士団長さんは素敵ですね。

「アイリス・フォートだとぉ」

 なおも、ギルマスはソランジュを睨む。しかし、顔は蒼白になっていた。


「ちっ!」

 なぜか、ギルマスは背を向ける。

 ソランジュに何もせず去って行った。


 取り巻きの冒険者たちも、恐れおののいて散っていく。


「さすがです。アイリス・フォートの名は、クテイにまで轟いてますね」

「どうしてです?」


「自分でやっておいて気づかないとは。あなたは、三〇〇もの盗賊団を壊滅に追い込んで、シングニアの冒険者ギルドさえ退けたんですよ! 有名人にならないわけがない」


 そんなものだろうか。


「旅の方、クテイ騎士団長ですわ。先ほどはありがとうございます」


「いや。同じ魔術師のよしみ、いわれのない因縁の巻き添えになっていたので、放っておけなかった」


「でも、助かりましたわ。是非ともお礼を」

 団長は、財布を出そうとした。


「金はいい。ただ、少し回復させてもらえないだろうか? 大魔法を撃った直後で、ヘトヘトなんだ。回復材を切らしていてな」


「お安いご用ですわ。では、特性のソーマをどうぞ」


 小瓶に入った光る液体を、団長はソランジュに差し出す。


「よいのか。それほどの働きをしたとは思えんのだが?」

「いいえ。これはデーモン討伐の報酬ですわ。ご遠慮なく」 


 いかなる状態をも治すソーマは、通称「神の酒」とも言われている。


 その秘薬を、団長は惜しげもなく恩人に渡したのだ。


「すごい。あれ、国が買えるほどの値段がするんですよ」


「うわぁ」

 貧乏性のリッコには、ため息しか出ない。


 勢いよく神酒を煽り、ソランジュは息を整える。


「助かった。では、この件はこれでチャラで」

「およろしいので?」

「構わない。報酬をくれる相手が、他にもいるんでね」


「ああ、するとあなた方が」

 事情を察したらしき団長が、リッコに礼をいう。


「お初にお目に掛かります、聖騎士様。秘宝の件、お役に立てず」


「と、とんでもありません! それより出しゃばっちゃったみたいで!」

 手をブンブンと振りながら、リッコは謙遜した。


「いえ。素晴らしい偉業を成し遂げられましたわね。王に代わってお礼を言わせていただきます」

 団長は頭を下げて、この場を去った。



「感じのいい方たちでしたね」

 ギルドも見習うべきだ。


「ソランジュ、騎士との交流もそこそこにするニャ。ワイたちの任務は」

 チヨメが急かす。

「覚えているよ。秘宝を早くマセッティに届けよう」


 ソランジュたちは、マセッティの館へと向かう。






  この紫色をした宝珠が、本当に秘宝ならいいのだが。

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